新型光センサMXene
2025-10-06 08:20:04

東京大学と日本材料技研が開発した新型光センサ用MXeneインク

東京大学と日本材料技研が手がけた新型光センサ用MXeneインク



最近、東京大学と日本材料技研株式会社が共同で開発した新しい光センサ用のインクが注目を集めています。これは、Ti3C2Tx MXeneと呼ばれる材料を使用しており、特に有機フォトダイオードのホール輸送層としての応用に焦点を当てています。今回の研究成果は、第86回応用物理学会秋季学術講演会で発表され、多くの関心を集めました。

MXeneとは、アメリカのドレクセル大学で発明された二次元層状化合物の一種で、その構造は特異なナノシートから成り立っています。中でもチタンと炭素からなるTi3C2Tx MXeneは、優れた導電性と分散性を持っており、これを利用した新しい技術の開発が進められています。このMXeneを工業的に生産することを目指し、日本材料技研社は、ナノシートが積層された多層MXene粉末と、ナノメートルスケールの厚さに剥離された水分散液をサンプルとして提供しています。

これまでの研究の成果を活かし、Ti3C2Tx MXeneの光電子デバイスへの応用についても探求を進めています。光センサに関連する技術開発は、特に注目すべき分野であり、これまでにその電子輸送層としてのポテンシャルを見出しています。この新しいインクの特徴として、常温で乾燥でき、容易に有機半導体の上に塗布できる点が挙げられています。さらに、従来のホール輸送層として使用されるPEDOT:PSSと比較すると、光センサの暗電流を1/10に減少させることができました。

この技術は光センサだけでなく、有機ELや太陽電池などの他の光電子デバイスにおいても、ホール輸送層材料としての活用が期待されます。ホールを効率的に流すためには、ホール輸送層の材料特性を設計することが重要であり、その企業努力が実を結んだ形と言えるでしょう。また、研究開発を進める中で、次世代の光電子デバイスのさらに高性能化を図っていくとのことです。

日本材料技研株式会社は2015年に設立され、機能材料事業を中心にさまざまな技術開発に取り組んでいます。代表取締役社長の浦田興優氏は、今回の成果に自信を持っており、今後の研究進展に期待を寄せています。彼は、今回の技術が新たな光電子デバイス市場を切り開く鍵になると考えています。

この新型MXeneインクが今後、どのように応用され、どのような製品を生み出していくのか、興味は尽きません。研究が進む中で、次代の技術革新がもたらす幅広い影響に期待しましょう。日本材料技研の最新の技術と東京大学の研究が融合することで、明るい未来が開かれることを願っています。


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会社情報

会社名
日本材料技研株式会社
住所
東京都中央区日本橋本町2-3-4江戸ビル6階
電話番号

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