国境を越えた重症筋無力症患者支援の新たな力｜アジア・オセアニア連絡会設立

アジア・オセアニア筋無力症連絡会の設立

2025年10月4日、東京都を拠点とするNPO法人筋無力症患者会が「アジア・オセアニア筋無力症連絡会」を正式に設立しました。この組織は、重症筋無力症（MG）の啓発や研究促進、医療支援体制の向上を目的としており、国際的な連携の第一歩を踏み出したことを意味しています。

設立の背景

近年、重症筋無力症の研究は進展しており、新薬や治療法が開発されていますが、アジア・オセアニア地域においては、地域や医療間の情報格差が存在し、患者やその家族が適切な医療を受けられないことが多々ありました。さらに、欧米とは異なる生活習慣や気候、体格による独自の課題もあります。このような背景から、連絡会は以下の三つの目的を掲げて活動を推進することになりました。

1. 情報の共有と意見交換：地域ごとの課題を深堀し、患者や家族が社会生活を健全に送れるよう支援します。
2. 医療発展の寄与：アジア・オセアニア地域の病院や製薬会社との連携を強化し、地域医療の質向上に寄与します。
3. 患者参画の促進：患者と家族が疾患を正しく理解し、治療や研究に参加する社会を築きます。

設立記念講演会の概要

設立記念講演会には、アジア・オセアニア地域からの患者団体や医療関係者が集まり、国境を越えた協働の意義を確認しました。現在の活動開始に至るまで、多くの患者、研究者、協賛企業が参加したこのイベントは、地域を超えた医療連携の始まりを象徴する瞬間となりました。

- 開催日: 2025年10月4日（土）14:00～17:00
- 会場: 鎌倉パークホテル（神奈川県鎌倉市）
- 主催: NPO法人筋無力症患者会
- 後援: 外務省、厚生労働省、東京都、神奈川県など

開会セッションの模様

講演会では、設立宣言や各国代表者、医学顧問からのメッセージが寄せられ、医療関係者と患者が支え合う国際的なつながりの誕生を祝い、温かな時間が流れました。特に、香港中文大学のProf. Dong DONGが「希少疾患の現状と医療ネットワークの必要性」を話し、連絡会設立の重要性が強調されました。

また、台湾重症筋無力症患者ケア協会の代表や、NPO法人筋無力症患者会の理事長も、地域独特の医療課題を共有し、持続的な協働の重要性を語りました。