グロッシーIAEA事務局長との電話会談でALPS処理水に関する信頼が確認される

グロッシーIAEA事務局長との電話会談について

令和6年9月20日、岸田総理は国際原子力機関（IAEA）のグロッシー事務局長と電話で会談を行いました。この会談は、最近話題となっているALPS（多核種除去設備）処理水の海洋放出に関する国際的な懸念と信頼性の確保を目的としています。

会談の中で、グロッシー事務局長はALPS処理水の海洋放出に関して日本への信頼を表明しました。IAEAの枠組みの中で実施されるモニタリングには、各国の専門家が関与しており、特に今回は中国を含む3か国の専門家が政策実施に関与する旨が合意されました。具体的には、サンプリングや分析機関間での比較が行われることになります。このような追加的なモニタリングの実施について、岸田総理は、高く評価しています。

また、岸田総理は中国との間で、事務レベルでの協議が行われていることも報告しました。これにより、中国側は日本の水産物に関する輸入規制の調整を始め、この措置に基づき、日本産の水産物が基準を満たす形で輸入される道筋が整えられることとなりました。日本側としては、ALPS処理水に関して追加的なモニタリングが行われることで、規制の撤廃に向けた動きが進むと期待しています。

岸田総理は、輸入規制の即時撤廃を求めている姿勢を明確にし、中国に対して安全性の立証データを示していることを強調しました。IAEAが行っているモニタリング結果から、ALPS処理水の安全性は十分に確認されているとして、中国にこれらのデータを提示し、規制撤廃の必要性を求めています。この基準は、中国国内で流通する食品や他国から輸入される食品の品質保証に基づくものであり、特定の国に対して差別的な扱いがないことも、中国側から確認されています。

会談を通じて、今後の日本と中国との関係において、ALPS処理水に関する科学的な根拠と信頼性の向上が、双方にとって重要な課題であることが再確認されました。

このような外交的な取り組みは、国際的な信頼関係を築く上で大変重要なものであり、今後の展開に期待が寄せられます。ALPS処理水の安全性が確認されることで、日本の水産物が再び国際的に流通し、経済活動が活性化することが期待されます。