医療体制強化研修
2025-03-10 17:22:37

大規模イベントに備えるための医療体制強化研修が全国で実施

大規模イベントに備えるための医療体制強化研修が全国で実施



日本医師会は、2023年2月24日に「大規模イベント医療・救護研修会」を開催しました。この研修は、今年4月から始まる大阪・関西万博や、11月の東京デフリンピック、さらに来年の愛知県でのアジア競技大会など、国内で計画されている大規模イベントに向けて、地域の医師会がどのように医療体制を強化していくかを学ぶことを目的としています。

研修概要


この研修は、日本医師会館とオンラインのハイブリッド形式で行われ、全国各地から200人以上の医療関係者が参加しました。午前中の開会挨拶では、日本医師会の細川秀一常任理事が出席者に歓迎の言葉を述べ、研修会が地域医療に貢献できることを期待しました。

プログラム内容


研修の全体企画は、杏林大学医学部の山口芳裕主任教授が担当し、以下のような多彩なプログラムが準備されました。

1. 東京オリンピック・パラリンピック大会の経験と教訓
加藤聡一郎氏(都市オペレーションセンター医療統括)と井上孝隆氏、山口芳裕氏が登壇し、短い準備期間でのリスク評価や日常的な医療体制の維持についての実務的な知見を共有しました。

2. 2025年大阪・関西万博における医療救護対策
溝端康光氏(2025年日本国際博覧会協会医療救護協議会議長)からは、会場へのアクセスや搬送体制の課題について説明があり、地域医療の連携強化が求められることが強調されました。

3. 大規模イベントの医療体制
宮国泰彦氏(市立青梅総合医療センター救命救急センター長)が、大規模イベントの実施に伴う医療機関への負担増加について述べ、事前の対策としての地域医療機関との連携の必要性を指摘しました。

4. マスギャザリング医療(総論)
山口氏からは、大規模イベント特有のリスクに対する評価が求められ、実施時の適切な対応方法についての基本知識が解説されました。

続いて行われた休憩後、実践的なデモンストレーションが2つ実施されました。
5. CBRNEテロ:除染実習
井上孝隆氏(埼玉医科大学国際医療センター救命救急科教授)が、汚染物質の除去手順を詳しく実演しました。

6. 銃創・爆傷対応:止血実習
加藤聡一郎氏が、緊急時の止血手順を実践し、注意点について説明しました。

感染症と外国人対応


研修の後半では、井上教授が「大規模イベントと感染症」のリスクについて述べ、感染症の流行状況を把握する重要性を強調しました。また、加藤講師は外国人対応の必要性について言及し、厚生労働省などのリソースを活用するべきだと述べました。

研修の締め括り


質疑応答の後、日本医師会の茂松茂人副会長が締めの挨拶を行い、参加者に積極的な関与を呼びかけました。また、配布された『改訂第二版大規模イベント医療・救護ガイドブック』の活用を提案しました。このガイドブックは、研修で学んだ知見を実務に活かすためのツールとなります。

日本医師会は、地域医療の進展と医師の生涯研修を重視した活動を行っており、今後も大規模イベントに対する医療体制の強化に向けた取り組みを広げることが期待されています。


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会社情報

会社名
公益社団法人日本医師会
住所
東京都文京区本駒込2-28-16
電話番号
03-3946-2121

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