埼玉りそな銀行での新たな試み「えんギフト」発行の背景と意義
近年、日本の社会において寄付文化が注目されていますが、その中でも特に「遺贈寄付」という手法はこれまであまり認知されていないのが現実です。この遺贈寄付を普及させるため、一般社団法人日本承継寄付協会(Will for Japan)は、埼玉りそな銀行と連携し、遺贈寄付情報誌「えんギフト」の配布を2025年5月8日から開始することを発表しました。ここでは、この取り組みの背景や目的、さらに「えんギフト」の内容について詳しく見ていきます。
遺贈寄付とは?
遺贈寄付とは、自分の財産を遺言を通じて死後に非営利団体や学校などに寄付する仕組みのことです。この方法は、10万円からなど少額からでも実施可能であり、また生前の資産を心配せずに寄付できるため、多くの人にとって有効な手段となりえます。しかし、遺言書の作成に対する抵抗や、遺贈寄付に関する情報の不足から、日本国内ではまだ十分に普及していません。これを受け、当協会は、遺贈寄付をより一般的な選択肢にするための活動を行っています。
「えんギフト」の内容と目的
「えんギフト」は年に一度、21,000部を無料で発行・配布し、遺贈寄付にまつわる情報を提供する専門誌です。この冊子では、過去の寄付事例を紹介し、寄付先の選び方、体験談などを掲載しています。これを通じて、埼玉県内の人々が遺贈寄付について理解を深め、それが社会貢献の一つとしてどのように機能するかを知っていただくことを目指しています。
具体的には、草加市との連携協定に基づく活動が2024年から始まります。そこでの「Policy Fund」による助成をもとに、遺贈寄付の認知を広めるための専門家養成プログラムも実施される予定です。これらの取り組みにより、地域の人々が自身の想いを次の世代へと繋げる手助けをすることを志しています。
埼玉りそな銀行の役割
埼玉りそな銀行は、地域社会との繋がりを重視し、お客さまの相続や資産承継に関する様々なニーズに応えるべく努力しています。「道徳経済合一」の考えに基づき、子どもたちの居場所づくりや環境保全など地域貢献につながる活動にも力を入れています。今回の「えんギフト」配布を通じて、資産形成の過程における一つの選択肢として、遺贈寄付という新しい考え方を広めていくことが目的です。
結論
遺贈寄付は、単に財産を寄付するという行為にとどまらず、人々の意志や想いを次の世代に繋げる重要な手段です。埼玉りそな銀行との連携による「えんギフト」の配布は、地域住民が寄付に対する意識を高め、新たな寄付文化を形成する一助となるでしょう。今後、遺贈寄付の認知が広がることで、人々の思いやりの輪がさらに広がることを期待したいと思います。
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