東京メトロ、フィリピンに向けた車両機器の譲渡
東京メトロ株式会社は、2023年9月25日にフィリピン共和国のFEATI大学へ車両機器を無償譲渡しました。この譲渡は、同社が持つ鉄道運営のノウハウや経験を活かし、フィリピンにおける鉄道人財育成に寄与することを目的としています。
FEATI大学は工学、海洋教育、経営学、建築学の学部を有し、近年では鉄道エンジニアリングコースを新たに開設しました。この取り組みは、東京メトロが2020年2月に策定した無償譲渡協定を基に進められており、同大学との関係は年々深まっています。さらに、2025年4月には人材育成に関する覚書(MOU)も締結しており、より一層の連携が期待されています。
譲渡された車両機器の詳細
今回の車両機器の譲渡には、半蔵門線8000系の台車やモーターなどの主要部品が含まれており、これらはFEATI大学の鉄道教育課程において、実際の鉄道部品を活用した実践的な教育に利用される予定です。これにより、学生たちは教室での理論に加え、実際に手を触れることで理論を実践に繋げることが可能となり、フィリピン国内での鉄道人財育成に寄与することが期待されています。
Tokyo Metro Academyの役割
さらに、東京メトロは「Tokyo Metro Academy」というオンライン講座や訪日研修を通じて、国際的な鉄道関係者への知識の提供にも力を入れています。これまでに502名が26か国から参加しており、世界中の鉄道業界のプロフェッショナルたちにとって、東京メトロのノウハウを学ぶ絶好の機会となっています。この取り組みは、第22回日本鉄道賞の特別賞も受賞しました。
今後の展望
東京メトロは今後もFEATI大学との提携を深化させ、国際的な鉄道教育機関や事業者との連携を拡大する方針です。鉄道の安全で持続可能な運営に関する知見を広めることで、フィリピン国内の交通インフラの発展にも寄与することを目指しています。
今回の車両機器譲渡のセレモニーは、FEATI大学にて盛大に行われ、両者の今後のパートナーシップに新たな一歩を刻みました。このような国際的な協力を通じて、東京メトロが持つ安全で安定した鉄道の運営ノウハウが広がることは、フィリピン国内の鉄道業界においても重要な意味を持つことでしょう。
今後も東京メトロは、教育を通じた国際貢献を進め、世界中の鉄道業界に貢献する存在感を高めていくことが期待されています。