介助犬訓練、新たなスタート
岡山県に住む藤原さんは、サーフィン中に脊髄を損傷し、四肢が麻痺してしまった。しかし、彼の生活には大きな変化が訪れた。2017年、初代の介助犬ダイキチが彼の生活を支える存在となり、二人は共に新たな日々を築いていった。ダイキチは、藤原さんが日々の生活で困難な場合に、物を拾うだけでなく、携帯電話を持ってきたり、服を脱がせたりと活躍し、藤原さんの手足のように彼を支えていた。
介助犬は盲導犬と比べてその認知度が低いため、藤原さんは学校や地域で介助犬についての講演を行い、その重要性を広める普及啓発活動にも力を入れていた。彼の姿勢は、多くの人々に感動を与え、介助犬の認知度向上に貢献した。
藤原さんはまた、パラサーフィンの競技者としても活躍しており、世界の舞台でその技術を披露し続けている。アクティブな彼とダイキチの関係は、8年間の長い時間を経て築かれたもので、彼にとってダイキチはかけがえのない存在であった。しかし、介助犬は通常10歳で引退するため、2025年6月にダイキチはその役割を終えた。引退後もダイキチは藤原さんの元で幸せに生活している。藤原さんは新たに介助犬を希望し、2代目の犬との生活が始まる準備を進めている。
新たな仲間「テン」との出会い
今月から藤原さんは、愛知県長久手市にある介助犬総合訓練センターで、2代目の介助犬訓練を開始する。彼の新しい相棒は、ラブラドールレトリバーの雄犬テン。犬それぞれに異なる性格をみせるため、藤原さんはダイキチとは違ったテンとの生活を楽しみにしている。
テンとの訓練は、藤原さんが自身のニーズに合わせて特別なスキルを習得していく過程であり、今後の共同生活に向けた貴重な時間となるだろう。介助犬とは、肢体不自由者を支えるために厳しい訓練を受けた犬たちであり、日常生活をサポートする大切な存在だ。全国には57ペアの介助犬しかおらず、必要な約15,000人に対して供給が追いついていない現状もある。
介助犬の育成には多くの寄付や募金が必要で、社会全体での支援が求められる。藤原さんは思いを込めて、介助犬の役割やその価値を広め続けている。彼の新たな道のりは、今後も多くの人々に希望を与え、介助犬の重要性を再確認させる機会となる。未来の藤原さんとテンの生活が楽しいものであることを願っている。