自然の力を科学する新たな取り組み、フィトサイエンス構想
ロート製薬株式会社が、新たな事業戦略『フィトサイエンス構想』を発表しました。この構想は、創業126年の歴史を背景に、自然界の力を科学的に解明し、社会に貢献することを目的としています。特に注目すべきは、同社が設立したフィトサイエンス研究所と、沖縄県にオープン予定の藻類農園FARMOです。
フィトサイエンス構想の背景と概要
現在の社会は環境問題や食糧危機、高齢化といった課題に直面しています。ロート製薬は、こうした課題を解決するために、地域の自然素材や技術を活かし、健康産業の発展を目指しています。過去126年間の経験を基に、地域特有の気候や土壌を活かした素材の可能性を探求し、自然の力「フィトパワー」を最大限に利用することを目指しています。
具体的な取り組みとして、藻類や生薬、発酵技術など、多様なフィト資源の研究開発に加えて、地域の活性化を図る協力体制を構築していきます。また、食品や化粧品、医薬品などの様々な分野での新たな事業展開を視野に入れています。
日本初となる藻類農園FARMOの開設
フィトサイエンス構想の第一弾として、ロート製薬は沖縄県久米島町に『藻類農園FARMO』をグランドオープンします。この農園は、日本初の藻類の研究、生産、加工、観光サービスが一体となった施設です。具体的には、地域資源を活用した持続可能な社会づくりを目指し、藻類の大衆化を進めます。
- - 地域資源の活用: 久米島の海洋深層水を利用した『久米島モデル』を実践し、地域経済への貢献を図ります。
- - 藻類産業の認知拡大: 生産とサービスを一体化させることで、藻類をより身近な資源として体験できる場を提供します。
- - 持続可能な未来の実現: 環境に優しい藻類栽培を通じて、食料問題や環境問題を考慮した取り組みを行います。
- - 統合的な研究開発: 産学連携や地域協力を活かした研究開発のプラットフォームとして活用され、様々な事業展開が期待されています。
ロート製薬との久米島の深い関係
ロート製薬は、2013年から沖縄県で畜産や農産業に取り組んできました。特に久米島では、海洋深層水を用いた『久米島モデル』を推進し、持続可能なまちづくりに貢献しています。また、2016年からは農業実証プロジェクトに参画し、地域との連携を強化しています。
ビジョン「Connect for Well-being」への挑戦
2030年に向けたロート製薬のビジョン『Connect for Well-being』は、一人ひとりが心身共に充実した生活を送れるよう、健康をテーマに様々な取り組みを推進するものです。このビジョンのもと、地域や自然が一体となった循環型社会の構築を目指します。
結論
新たに始動したフィトサイエンス構想と藻類農園FARMOは、自然の力を最大限に活かし、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップです。ロート製薬はこれからも革新的な解決策を提供し続け、より良い未来へ向けた貢献を行っていくでしょう。