AIがレガシーシステムの設計書を自動生成する新サービス登場

AI技術が解決するレガシーシステムの悩み

近年、多くの企業や自治体の情報システム部門では、旧式のレガシーシステムが抱える課題に直面しています。ベテラン社員の退職や設計書の未整備により、これらのシステムは次第に“ブラックボックス”となり、業務に大きな支障をきたしているのです。これに対して、ワンダフルフライ株式会社が新たに発表したAI自動設計書生成サービス「ワンダーロボ・リバース」は、レガシーシステムの課題解決の切り札となり得るでしょう。

レガシーシステムの課題

レガシーシステム、特にCOBOLやPowerBuilder、VBAなどで構築されたシステムは、多くの企業において業務の中核を担っています。しかし、長期間の運用によって次のような問題が顕在化しています。

- 保守可能な人材の不足

ベテランの退職が相次ぎ、システムに関する専門知識を持つ社員が不足しています。これにより、トラブルが発生した際の対応が遅延し、業務が停滞するリスクが高まります。

- 設計書が存在しない、または更新されていない

古い設計書は実態と合致せず、新たな修正や機能追加が行えない状態に陥っています。このため、業務の効率化が図れず、しばしば不安定な運用に繋がります。

- 仕様が不明でプロジェクトが進まない

プロジェクトの打ち合わせ時に「現在のシステムがどう動いているのか」が分からないため、再構築や監査対応がなかなか進まないことも多々あります。

- セキュリティや業務の継続性のリスク増大

ブラックボックス化したシステムは、潜在的な脆弱性を見逃しがちとなり、業務が止まる危険性が高まります。このようなリスクを軽減するための取り組みが求められています。

ワンダーロボ・リバースの概要

「ワンダーロボ・リバース」は、レガシーシステムのソースコードをAIが解析し、設計書を自動で生成する画期的なサービスです。従来の設計書作成は数週間から数ヶ月を要するプロセスでしたが、AIを活用することでこれを大幅に短縮します。

主な機能

- レガシーソースコードの自動解析

COBOL、PowerBuilder、VB6、Javaなどの古いリソースコードを正確に解析し、業務ロジックやデータ構造を詳細に抽出します。

- Excel形式の標準化された設計書の自動生成

生成されるドキュメントには、画面設計書、帳票レイアウト、テーブル定義書、処理フローチャートなどが含まれ、誰でも理解しやすいフォーマットになっています。

- 属人性の排除

担当者が不在でもシステムの構造を理解できるように設計されており、運用の安定性を確保します。

- 設計書作業の時間を約90％削減

AIの力で手作業で行う設計書作成の工数を大幅に削減することが可能です。

FreeCodeとの連携による新たな価値

この新サービスは、AIによる自動生成機能に加え、ワンダフルフライの他のサービス「AI Freecode Service」とも密接に連携しています。この組み合わせにより、設計書を基にした新システムの自動構築が可能となるため、今後のシステム移行がスムーズに実施できます。したがって、設計書作成は単なる終着点ではなく、新システムへの移行の出発地点となります。

未来の展望

今後は、さらに多様な解析対象言語の対応や業務フローの自動生成、品質診断機能の拡充など、高度な自動化を模索する予定です。こうした取り組みにより、レガシー資産のモダナイゼーションを安全に支援していく方針です。

ワンダフルフライは、その技術力を活かし、AIとDXを融合させた新しいサービスを展開し続けています。こうした革新的な技術が、今後も多くの企業や組織の力となることを期待しています。