福岡県北九州市が、技術職員のための作業服を37年ぶりに大幅にリニューアルしました。新作業服は2025年4月から使用開始される予定で、旧作業服から順次移行が行われます。
このリニューアルの背景には、近年の厳しい暑さによって作業時の不快感が増す中、従来の作業服への不満が寄せられていたことがあります。特に、ストレッチ性や通気性が不足している点、さらには汚れや汗じみが目立ちやすいことから、機能性やデザインの改善が急務とされました。
北九州市役所では、若手職員を中心にした「働きやすさ」と「働きがい」を高める取組を進めており、この新作業服のリニューアルプロジェクトもその一環として進められています。総勢11名の若手技術職員が各分野を代表し、作業服がより魅力的で手に取りやすくしたいという思いを込めて、職場環境の見直しを目指しました。
新作業服のテーマは、「技術職と市民をつなぐ架け橋」。作業服の貸与対象となる2,400名を対象にアンケートを実施し、試作品の展示やヒアリングを重ね、約25回の打合せを経て完成に至りました。新作業服は、屋内外での作業からデスクワークまで、様々なシーンで快適に着用できるように機能性や着心地が徹底的に考慮されています。
安全性と機能性の向上
新作業服には、夜間作業時の視認性を確保するための反射材が導入され、高所作業時にも干渉しない工夫がされたり、熱中症対策として通気性の良いブルゾンタイプの夏シャツが取り入れられています。裾幅を調整する機能も備わり、作業の安全性が大きく向上しました。
市民に愛着を持たれるデザイン
デザインチームは既製品に頼らず、様々な細部にこだわりました。特に、胸元には北九州市の特産品である小倉織のワンポイントを配置し、安心感を与える色味で作業服上をノーカラーのブルゾンとしてデザインしました。これにより、着回しの柔軟性が増し、四季を通じて快適に過ごすことができます。
ユニセックスなデザイン
従来の作業服が男女の仕様で異なっていた問題も解消し、ユニセックスなデザインに仕上げられています。デザインにはウエストへのドローコードを採用し、体型の微細な変化にも対応しています。また、サイズ展開の見直しを行い、製作費を削減する意図もあるといいます。
サステナビリティを意識した取り組み
さらに、使用済みの作業服は回収し、新しい衣料品へと変身させる予定です。これは、循環型社会の実現を目指す北九州市のサステナブルシティへの取り組みの一環として進められています。
新作業服の完成を祝して、北九州市では公式YouTubeチャンネル「KITAKYUSHU-SHI PRESS」にてPR動画も公開しています。この動画では、技術職員が実際にどのような業務で新作業服を着用しているのかを紹介しています。
新しい作業服を通じて、技術職員が誇りを持ち、モチベーションを向上させ、ひいては北九州市の魅力を今回のリニューアルが促進できることを期待しています。新作業服が職員の業務と市民の信頼にどのように寄与するのか、今後の発展が楽しみです。