モデルナのRSウイルスワクチン「mRESVIA」、欧州医薬品庁が販売承認を推奨

モデルナのRSウイルスワクチン「mRESVIA」、欧州医薬品庁が販売承認を推奨



モデルナ社が開発したRSウイルスワクチン「mRESVIA」が、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)から販売承認が推奨されました。これは、60歳以上の成人をRSウイルス感染による下気道感染症から守るための画期的な一歩となります。

CHMPの肯定的見解を受け、欧州委員会はmRESVIAの使用を承認する見込みです。モデルナ社は、mRESVIAを通じて、呼吸器疾患がもたらす世界的な公衆衛生の課題に対応し続けると表明しています。

RSウイルスは、特に乳幼児や高齢者に重篤な感染症を引き起こすことが知られています。欧州では、毎年約16万人の成人がRSウイルス感染により入院しており、そのうちの92%が65歳以上の成人であると報告されています。

mRESVIAの有効性は、22カ国で約37,000人を対象とした国際共同第3相臨床試験(ConquerRSV試験)で確認されました。この試験の結果、RSウイルスによる下気道疾患(LRTD)に対するワクチンの有効性は、追跡期間3.7カ月(中央値)で83.7%、8.6カ月(中央値)で63.3%という高い数値が示されました。

mRESVIAは、投与が簡便なプレフィルドシリンジを採用しており、医療従事者のワクチン接種実施にかかる時間を短縮し、接種時の手技的ミスを減らすことも期待されています。

モデルナ社は、米国食品医薬品局(FDA)からもすでにmRESVIAの承認を取得しており、今後、世界各国で販売承認申請を提出していく予定です。

mRESVIAとは?



mRESVIAは、RSVウイルスワクチンです。RSVウイルスの表面に存在するF糖タンパク質をコードしたmRNA配列を用いており、このF糖タンパク質は、ウイルスが宿主細胞への侵入に関与し感染を引き起こす重要な役割を担っています。

mRESVIAは、RSV-AとRSV-Bの両サブタイプに対して免疫応答を引き起こすことが期待されています。このワクチンは、モデルナ社のCOVID-19ワクチンと同様の脂質ナノ粒子(LNP)を使用しています。

モデルナ社について



モデルナ社は、mRNA医薬品分野における革新的リーダーです。独自のmRNAプラットフォームを活用し、感染症、免疫腫瘍学、希少疾患、自己免疫疾患などの治療薬やワクチンの開発に取り組んでいます。

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