日本メドトロニック、新型植込み型除細動器の承認を取得
日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、心室性頻脈性不整脈の治療に使用される新たな医療機器「Aurora EV ICD™ MRI デバイス」および「Epsila™ EV MRIリード」の薬事承認を2024年10月22日に取得しました。この承認は、心臓病の治療において重要なステップを示すもので、今後は保険診療下での適用を目指しています。
不整脈の危険性と治療の重要性
不整脈は、心臓の電気的な信号が乱れることで、心臓の拍動が不規則になる状態です。特に心室細動は、心臓のポンプ機能が停止し、数秒から数分内に意識を失う危険性を伴います。このため、迅速な医療介入が求められます。日本では、年間約4,000台の植込み型除細動器が新たに患者に植え込まれており、致死性不整脈のリスクを抱える患者にとって、その必要性が高まっています。
Aurora EV ICD™ MRI デバイスの特長
この新型の除細動器は、従来の経静脈ICDに代わる低侵襲なシステムです。Aurora EV ICDは、植込み位置を胸骨下にすることで、従来の方法に比べて血管内の合併症リスクを低減します。また、抗頻拍ペーシング(ATP)技術を使用し、電気ショックを避けることができるため、患者の精神的・肉体的負担を軽減します。
国立循環器病研究センターの不整脈科部長である草野研吾氏は、「Aurora EV ICDは、血管外に留置されることで合併症リスクが低下し、患者さんにとって大きな利点がある」と強調しています。このシステムは、心室性不整脈の発作を自動的に検知し、適切な治療を施し、心臓の機能を正常に戻します。
Epsila™ EV MRIリードの役割
Epsila EV MRIリードは、心臓や静脈の外側に留置されることが特徴です。このリードも新たに承認されたもので、経静脈ICDで問題とされる血管の合併症を回避することが可能です。これにより、患者はより安心しての治療を受けることができるでしょう。
メドトロニックの使命
メドトロニックは、75年の歴史を持つ企業で、数々の革新的な医療機器を開発してきました。カーディアックリズムマネジメント担当バイスプレジデントの芳賀聡氏は、「これらの新製品を日本の患者に提供することは非常に重要です」と述べています。また、メドトロニックは、人々の痛みを和らげ、健康の回復や生命の延命に貢献することを使命にしています。
結論
Aurora EV ICD MRI システムとそのリードは、心室性不整脈という重大な疾患に対する新たな選択肢を提供します。これにより、より多くの患者が安心して治療を受けられる環境が整うことが期待されています。これからもメドトロニックが推進する革新的な医療技術の進展に注目が集まります。