千葉県のホテル三日月と富山県のアルハイテックは、世界初のグリーンな水素火力発電システムの構築に向け、2026年の稼働を目指し、戦略的パートナーシップ契約を締結しました。
この事業は、ホテル三日月の掲げる「世界的なサステナブルリゾート化計画」と、アルハイテックが開発する廃アルミ由来のグリーンな水素エネルギーが融合したものです。木更津市や株式会社Unieの協力のもと、回収されたアルミ付き包装容器やアルミ箔、工場などで余剰する廃アルミを、アルハイテックの水素製造装置で水素に変換し、発電に利用する計画です。
副産物として発生する水酸化アルミは、地域の工業原料として活用することで、資源循環社会の実現に貢献します。地域ぐるみでサステナブルな活動を推進することで、“オーガニックなまちづくり”を目指します。
両社は、廃アルミの仕入れから水素製造、水酸化アルミの販売、水素火力発電に至るまで、事業を共同で推進していきます。アルハイテックは、オンサイトサービスとして廃アルミから水素と水酸化アルミを製造し、ホテル三日月は製造された水素を電力に変換し、サステナブルなリゾート事業に活用する予定です。
水素製造装置は、アルハイテック製の定置型で、1日8時間運転し、年間240日稼働予定です。投入されるアルミ処理量は1時間あたり270kg、水素製造能力は300Nm3/hです。発電設備はドイツの2G社の水素エンジンを用い、水素の燃焼反応で得た動力を電力に変換します。
水素製造装置は、ホテル三日月の「SDGsパーク」内に設置される予定です。
本事業は、フェーズ1として地域の産業界から廃アルミを原料とする水素発電事業を展開した後、フェーズ2では地域の家庭から排出されるアルミ付き廃棄物を原料とする事業に拡大する計画です。
廃アルミから水素発電という革新的な取り組みは、環境問題への意識が高まる中、注目を集めるでしょう。ホテル三日月とアルハイテックの戦略的パートナーシップは、世界的なサステナブルリゾート化への取り組みを加速させる可能性を秘めています。
特に、地域ぐるみで廃アルミの回収や資源循環に取り組む点は、持続可能な社会の実現に向けて重要な一歩となるでしょう。水素発電によって得られた電力を、リゾート施設の運営に活用することで、環境負荷を低減し、同時に新たな観光資源を生み出すことも期待できます。
本事業が成功すれば、他の企業や地域への波及効果も大きく、廃アルミの活用による水素エネルギー利用が、社会全体に広がっていく可能性があります。今後、両社の取り組みがどのように展開していくのか、注目していきたいと思います。