新たな魅力を放つ『小説野性時代』9月号のご紹介
2025年8月25日、株式会社KADOKAWAから月刊文芸小説誌『小説野性時代』の2025年9月号が配信されました。この号では新たに始まる連載や待望の新作が取り上げられ、多くの読者を魅了する内容となっています。
青柳碧人の新連載『漱石を巡る五人の名探偵』
まず注目すべきは、青柳碧人氏による新連載『漱石を巡る五人の名探偵』です。この作品では、文豪・夏目漱石の葬儀にまつわる不思議な出来事が描かれます。芥川龍之介が芳名帳から見つける謎の名前が物語の鍵を握っているかのようで、読者は軽快な歴史ミステリーを楽しむことができます。文豪同士の対話や思考が織りなす、知的な推理の面白さに引き込まれるでしょう。
東畑開人の『ミドル・エイジ・ビギンズ』
続いて、臨床心理士・東畑開人氏の連載『ミドル・エイジ・ビギンズ』にも注目です。中年期をテーマにした対談形式のこの作品では、著名なゲストとして尾崎世界観が参加。興味深い視点から「閉店セールは続く」と題し、中年期の心の問題に迫ります。心理学的な側面からのアプローチは、読者に新たな気づきを与えてくれることでしょう。
降田天の新作『帰り道』
『小説野性時代』でのもう一つの話題作は、降田天氏による「狩野雷太シリーズ」の新作『帰り道』です。この作品は、日本推理作家協会賞の受賞歴を持つ作品であり、シリーズのファンにとって待望の新たなエピソードとなります。「落としの狩野」が、母と娘の深い絆とその真実に迫るストーリーが展開され、緊張感あふれる展開が期待されます。
おすすめの連載作品
皆さんにぜひ読んでほしいのが、安部若菜氏の『描いた未来に君はいない』です。この作品は、大阪からの転校生・奈海をヒロインに据えた小説。夏休み終盤に奈海の弟妹と遊園地に行く場面は、彼らの成長や絆を描き出しており、心温まる作品です。
また、米澤穂信氏のリーガルミステリー『石の刃』も見逃せません。主人公が控訴審に挑む中での戦略は、緻密な構成と緊張感をもたらし、読み応え抜群です。神永学氏の『怪盗探偵山猫楽園の蛇』においても、新たなる戦いが繰り広げられます。
定額読み放題サービス
『小説 野性時代』は、電子雑誌としての特徴を活かし、毎月定期的に作品を配信しています。ダウンロード型の電子書籍に加え、「角川文庫・ラノベ読み放題」や、「カドブン」「カクヨム」「note」など多様なプラットフォームでも作品を楽しめます。定価は385円(税込)で、月日ごとに新しい作品が楽しめるのが嬉しいポイントです。
このように『小説野性時代』は、毎号新たな連載や作品を提供し、多様なジャンルから目が離せない雑誌となっています。文学の新しい魅力を探求したい方には、ぜひ一度手に取っていただきたい作品ばかりです。