薬の購入に関する意識調査から見る日本人の実態
最近、株式会社プラネットが実施した「薬の購入に関する意識調査」では、消費者の薬に対する考え方や購入スタイルが浮き彫りになりました。東京都港区に本社を置く同社は、1,500社以上の企業が利用する日用品流通の情報基盤を運営しており、今回は4,000人を対象にした詳細なデータが収集されました。
高齢者の薬の服用状況
調査によると、70代以上の高齢者の約75%が「処方薬を毎日服用している」と回答しています。特に、風邪や頭痛といった軽い症状には、市販薬が大いに活躍しています。最近では、医療機関で処方される薬と同じ成分を含む「スイッチOTC医薬品」が登場し、効能の高い薬を手軽に入手できるようになりました。また、2017年に導入された「セルフメディケーション税制」により、市販薬の購入費用の一部が控除対象となっています。
常備薬の種類
自宅に常備している市販薬について調査した結果、最も多かったのは「解熱・鎮痛・鎮静剤」で、43.8%が常にストックしていると答えました。続いて、「風邪薬」が41.5%、3位には「目薬」が41.3%と続きます。男女別に見ると、男性は「風邪薬」「目薬」「虫刺され薬」を常備し、女性は「解熱・鎮痛・鎮静剤」が優位に立っています。
購入の頻度と金額
市販薬の購入頻度については、「半年に1回程度」が20.7%で最も多く、全体的に見ると頻繁に購入する傾向は見られませんでした。しかし、「購入しない」という回答も17.9%あり、医療機関での処方薬で済むという意識も垣間見えます。年間の購入額については、最も多かったのは「1,000~2,000円未満」で、セルフメディケーション税制を知っている人は、知らない人に比べて購入額が高い傾向がありました。
購入場所とその理由
市販薬を購入する場所は、86.4%が「ドラッグストア」と回答しており、非常に高い支持を得ています。利便性や多様な商品を取り揃えていることが、この選択の大きな要因となっています。続いて「薬局」や「オンラインショップ」も注目され、特に若年層ではオンライン購入が増加しています。
相談の重要性
市販薬購入時に「店員や薬剤師の意見」を参考にする人も多く、57.5%が相談経験があるとのこと。主に「薬の効果」や「他の類似薬との効果比較」について問い合わせる傾向があります。若年層は「正しい服用方法」や「飲み合わせ」に関して敏感で、薬の服用意識が高まっている印象です。
自由回答から見る薬との付き合い
調査では参加者に自らの薬との付き合いや風邪の思い出を自由に書いてもらった結果、様々なエピソードが寄せられました。著効した市販薬の体験や、風邪の時に思い出に残る食事についてのコメントも多く見られ、家庭ごとの文化が色濃く反映されています。特に、昔から続く風邪薬の使用や、母や祖母から受け継いだ知恵に感謝する声も多くありました。
まとめ
株式会社プラネットの意識調査からは、日本人の薬の購入スタイルや習慣が多様であることが見えてきました。特に高齢者を中心に処方薬の服用が多く、市販薬を自宅に常備する文化が根付いています。また、ドラッグストアの利便性が評価され、購入時には専門家の意見が重視される傾向が強まっています。今後もこのような調査を通じて、消費者のニーズや意識の変化を追っていくことが重要です。