リジェネソームが新たなエピジェネティック時計の特許を出願
リジェネソーム株式会社が、生体試料に基づく生物学的年齢の予測技術に関する特許を申請した。この新しいアルゴリズムは、ヒト唾液などのサンプルを活用し、高精度かつ高解釈性での老化状態の予測を可能にするものである。
エピジェネティック時計の新たなアプローチ
本技術は、DNAメチル化情報を利用したエピジェネティック時計の新しい実装方法で、従来の線形モデルでは捉えきれない非線形な老化パターンにも対応できるという画期的な特徴を持っている。さらに、機械学習の手法である怠惰学習(Lazy Learning)を利用し、過去のデータに基づいて対象個体の年齢を推定する。これにより、より高精度な年齢予測が可能となった。
実際の検証では、公共データベースを用いた結果、ピアソン相関係数で0.90という高い予測精度が得られたことも報告されている。
健康寿命延伸に向けての展望
リジェネソームがこの技術を開発する目的は、「再生医療技術の社会実装と健康寿命の延伸」というミッションに基づく。今後は、唾液や血液を用いた簡易スクリーニング技術の展開を期待している。また、介入型のヘルスケア製品との連携も視野に入れ、さらなる技術の発展が予測される。
リジェネソームの企業概要
リジェネソームは、ナノ粒子であるエクソソームを活用し、老化抑制や再生医療分野で新しい解決策を模索している。様々な細胞が生成するエクソソームの解析を進め、分子生物学的手法でナノ粒子のデザインを行い、それらが生体でどのように機能するかを探求している。このアプローチにより、ナノ粒子を利用した医療技術の開発とともに、宇宙医学に関する新しいソリューションの提案を目指している。
スペースシードホールディングスに関して
また、リジェネソームの親会社であるスペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」という理念のもと、宇宙関連のディープテックベンチャーとして活動している。特に、発酵技術やロンジェビティー技術の社会実装を支援するプログラム「Fermentation and Longevity Fund」を通じて、社会課題の解決に向けた事業創出に取り組んでいる。2040年には、人類が宇宙空間で住むために必要な技術を整備することを目標としている。
このような背景から、リジェネソームとスペースシードホールディングスは、健康や医療だけでなく、宇宙という新たなフロンティアにおいても重要な役割を果たすことが期待されている。