ブレゲ250周年記念エキシビション「Les Tiroirs du Temps」
世界の主要な直営ブティックにおいて、ブレゲの250周年を祝う特別な企画展「Les Tiroirs du Temps~時の引き出し」が開催されることが決まった。この展示は、時計製造の未来を支える先見性のあるアイディアと、それを形にした人々への敬意を称える内容となっている。展示は印象的な引き出しを中心に構成されており、創始者アブラアン-ルイ・ブレゲと他の時計職人たちが抱えていた課題や哲学的な疑問を観客に投げかけている。
このエキシビションは、時計の歴史に残る技術的な挑戦を反映した内容で、各訪問者がそれぞれの思索を深める機会を提供する。日本では、10月下旬にブレゲ ブティック銀座での開催が予定されているが、これに先立ち、6月には特別なエキシビションも行われる。
特別エキシビションの概要
開催日時は6月9日から6月15日までの間で、初日は11:00から19:00まで、最終日は16:00に閉館する。会場はシテ・ドゥ・タン ギンザであり、東京都中央区に位置する。
さらに、エキシビションでは250周年記念の新作商品がいち早く展示されるだけでなく、スイス ブレゲ社から特別に取り寄せた「マリー・アントワネット」と呼ばれる超複雑懐中時計のレプリカ「No.1160」の展示も行われる。これにより、来場者はその精緻な技術を間近に見ることができるのだ。
ブレゲNo.1160 マリー・アントワネット
「マリー・アントワネット」と元々呼ばれたこの懐中時計は、アブラアン-ルイ・ブレゲの最高傑作として知られ、1783年にフランス王妃マリー・アントワネットが発注したものである。完成には実に44年を要し、数々の奇跡を経て今に至る。
その復元作業は2005年から始まり、2008年には新たに作成された現代の「マリー・アントワネット」が完成した。これにより、時計製造の技術を現代に生かしつつ、歴史的な偉大さを再現することに成功した。特にこの時計は、すべての複雑機構が組み込まれ、時計技術の粋を集めたものとなっている。
プチ・トリアノンのオーク
この懐中時計の特別なボックスは、かつてプチ・トリアノン宮にあったオークの木から作られている。この木は2000年代初頭に落雷によって切り落とされ、ブレゲ社はこの木を用いてボックスを製作する機会を得た。これにより、歴史的な背景を持った貴重な作品が生まれたと言える。
「ベルサイユのばら」とのコラボレーション
ブレゲのエキシビションでは、特別に池田理代子の協力により原作「ベルサイユのばら」のイラストも展示される。これによって、アブラアン-ルイ・ブレゲとマリー・アントワネットにまつわるストーリーがより豊かに表現される。観客はブレゲの世界と共に、フランスの歴史と文化を垣間見ることができる。
予約制での入場が求められるこのエキシビションは、ブレゲの時計愛好者はもちろん、歴史や美術に興味を持つ多くの方々にとっても魅力的なイベントとなること間違いなしだ。