岩手県釜石市で進化する防災DX
2023年、岩手県釜石市において、Visnu株式会社と(株)青紀土木の両社が防災DXに関する連携協定を締結しました。この協定の意義は、AI・IoT技術を駆使し、地域の強みを結集して防災まちづくりを推進することにあります。具体的にどのような取り組みが行われるのか、協定の内容を詳しく見ていきましょう。
協定の目的と内容
目指すもの
この協定の根底には、三者間の協力を通じて防災対策の強化があり、各社の専門技術を持ち寄ることが期待されています。特に、以下の二つの実証実験が予定されています。
1.
環境変化の検知システム
市道の側溝水位や積雪量、港湾の潮位などの変化をリアルタイムで検知するシステムの導入と実証を行います。
2.
避難者数の把握システム
緊急指定避難場所における避難者の属性(性別・年齢層など)を含む実施確認システムを構築します。これにより、発災時の迅速な情報共有が期待されます。
実証実験の実施
協定に基づく実証実験は、岩手県釜石市で行われます。ここでは、Visnu社が提供する防災DXプラットフォーム「Visnu™」が活用され、リアルタイムでの情報の確認と共有が進められる予定です。また、現地での設備設置や運営は、地元企業の株式会社青紀土木が担当します。
先端技術の導入
今回の取り組みには、Visnu社だけでなく、(株)ソードやIdein株式会社なども技術パートナーとして参画しています。特に、ソードはエッジAIデバイスの研究開発に携わり、Ideinはそのプラットフォーム「Actcast」を提供します。このように、地域の企業が連携し合い、最新技術を導入することで、より高い防災力が実現されることが期待されます。
防災の迅速化と情報共有
この協定における取り組みは、発生した災害に対して迅速に反応し、必要な情報を適切に共有することを可能にします。例えば、気象や地形の急激な変化に迅速に対応し、避難行動への確実なガイドラインを提供します。また、避難所における支援物資の必要量をリアルタイムで把握することで、即応性の高い支援が実現されます。
岩手県釜石市の背景
釜石市は、面積440.3平方キロメートル、人口約30,635人(令和4年12月末現在)という規模を持っており、震災後の復興への取り組みが進んでいます。市の公式サイトでは、地域の災害情報や施策についても発信しています。
公式サイト:
釜石市公式サイト
終わりに
この協定は、釜石市の未来と防災力を大きく向上させる可能性を秘めており、今後の進展が期待されます。地域の安全を守るために、AIとIoTを駆使するこの取り組みが、新しい防災のモデルとなることを願っています。