三菱重工業、蒸気加熱方式で世界初の水素製造
2023年、三菱重工業が長崎の総合研究所内に設置したパイロットプラントにおいて、蒸気加熱方式を用いた新しいアンモニア分解システムによる水素製造に成功しました。この成果は、純度99%の高品質な水素を生み出すものです。これにより、従来の燃焼熱を利用した方法に比べ、反応温度が低いため、コストの削減が実現します。
アンモニアの利点と水素サプライチェーン
脱炭素社会の実現が求められる中、水素の活用が急速に広がっています。その中でも、アンモニアは水素を安全且つ大量に輸送・貯蔵できる「水素キャリア」として注目されています。水素が燃焼してもCO₂を排出しないことから、持続可能なエネルギー源としての可能性が高まっています。
三菱重工業は、パイロットプラントでの成功を基に、アンモニアを利用した水素サプライチェーンの構築を進めています。この新しいシステムは、中規模かつ分散型の設計で、水素需要地の近くに簡単に設置できるよう計画されています。
次なるステップ
今後、三菱重工業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から採択された事業を通じて、株式会社日本触媒や北海道電力株式会社と連携し、技術開発を加速させる方針です。これにより、脱炭素技術の確立と、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指します。
この画期的な成果は、三菱重工業の持つ技術力の証明であり、未来のエネルギー問題への解決策の一環となることでしょう。
公式ウェブサイト
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