近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」をデジタルアーカイブ化したホロラボの挑戦
兵庫県豊岡市に位置する出石永楽館が、ホロラボの手によって未来へとその姿をデジタルアーカイブ化されました。このプロジェクトは、ただの記録保存にとどまらず、地域の文化資産を活用した観光や教育の振興にも焦点を当てています。
出石永楽館とは
出石永楽館は1901年に設立された近畿地方最古の芝居小屋です。創業者は小幡久治郎氏で、その名は出石城主の家紋「永楽銭」に由来しています。永楽館は、歌舞伎や新派劇、特に活動写真などが上演される場所として、明治から昭和にかけて但馬地域の文化の中心地として栄えてきました。1964年の閉館後、地元住民の保存運動を経て、2006年から2008年にかけて復原改修が行われ、44年ぶりに再び劇場として生まれ変わりました。
その間、廻り舞台や奈落、花道といった明治期の劇場機構が残る唯一の施設として、地域文化のアイコンとなりました。
デジタルアーカイブの取り組み
ホロラボは、出石永楽館のデジタルアーカイブを実施するにあたり、最新の技術を駆使しました。地上型レーザースキャナやミラーレスカメラ、ハンドヘルド型レーザースキャナを用い、外観から内部まであらゆるデータを高精度かつ高品質に記録しました。この取り組みでは、以下の方法が採用されました。
- - 地上型レーザースキャナ: 施設全体の形状を高精度に取得し、全貌を一体として記録しました。
- - ミラーレス一眼カメラ: 約6,000枚の写真を撮影し、リアルな表現を可能にしました。
- - ハンドヘルド型レーザースキャナ: 特に狭い場所の計測にも対応し、精度を確保しました。
さらに、フォトグラメトリ技術を駆使してデータの汎用性を高め、3D Gaussian Splatting(3DGS)による空間表現も実施しました。これにより、実際に目に見えるような印象に近づけた3D空間が実現しました。
バーチャル空間の公開
2026年に公開予定のバーチャル空間「永楽館VR」では、PCやスマートフォンのブラウザから館内を自由に見学することができ、リアルな体験が可能になります。この取り組みは、地域資産を単に視覚的に記録することから一歩進んで、訪れる人々に新たな形で文化を伝えることを目指しています。また、バーチャル空間は国外からもアクセスが可能で、様々な人々に出石永楽館を体験してもらうことが期待されています。
コメントと展望
出石永楽館の館長、赤浦毅氏は「このプロジェクトによって、100年前以上の歴史的な空間を現代に甦らせ、多くの人にその魅力を伝えられることを嬉しく思います」と表現しています。また、ホロラボの藤原龍氏も「現場での体験が非常に貴重で、得られたデータを丁寧に扱い多くの人に楽しんでもらいたい」とコメントを寄せています。
このように、出石永楽館のデジタルアーカイブは、地域の文化遺産を未来につなぐ重要な試みであり、全国各地にこのモデルを広げることも視野に入れています。地域の資産を活用し、観光や教育につなげる「地域社会DX」の一環として、豊岡市のさらなる発展が期待されます。
終わりに
出石永楽館のデジタルアーカイブが成功裏に実現することは、今後の地域振興にも大いに寄与するでしょう。その影響がどれほど広がり、地域が活性化するか、期待が高まります。詳細は以下のリンクからぜひご覧ください。