サトーが誇る日本酒ラベルが世界的な評価を受ける
2023年9月23日、ベルギー・ブリュッセルで開催された「世界ラベルコンテスト2023」にて、株式会社サトーがレタープレス部門で最高賞『Best of the Best(ベストオブザベスト)』を受賞しました。これにより、サトーは2018年以来3度目の栄誉を手にしたことになります。
日本の伝統と現代技術の融合
サトーが出品した作品は、岩手県に伝わる1000年以上の歴史を持つ祭り「蘇民祭」をテーマにした日本酒のラベルです。この祭りは、松の木に火を灯し、その火の粉を浴びることで、幸運を願う祭事です。デザインは酒造メーカーが手掛け、コロナ禍で休止していた蘇民祭の復活を意図して作成されました。
技術的な工夫
サトーのラベル印刷には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を重ねるプロセスカラー印刷技術が用いられています。このプロセスにより、雲や炎、肌の色合いを見事に再現しています。特に注目すべきは、色の濃淡を表現するために、網点のサイズを調整する技術。網点のサイズを大きくすると色が濃く、小さくすると薄く表示されます。この技術により、微細なグラデーションが可能となり、ラベル全体に深みを与えています。
世界ラベルコンテストの概要
「世界ラベルコンテスト」は、世界のラベル協会が主催するラベル印刷技術を競うイベントで、2023年で32回目を迎えました。日本や欧州、北米、オーストラリアなど、さまざまな国から参加があり、審査は各印刷方法に基づき、ラベルの技術と用途から22のカテゴリーに分けて行われました。
審査方法は非常に厳格で、サンプル配布や各審査員からの詳細なフィードバックを経て、最終的に「審査員全員の合意」によって受賞作品が決定されます。特に『Best of the Best』は、世界のラベル印刷のトップを決める賞であり、サトーが手掛けた作品がこの栄誉を授与されたことは大きな意義を持っています。
サトーの企業概要
株式会社サトーは1940年に設立された企業であり、東京・港区に本社を構えています。現在、90を超える国・地域でビジネスを展開しており、バーコードやRFIDなどの自動認識技術を駆使して、さまざまな分野での情報化と課題解決を行っています。2024年3月末時点での連結売上高は1384億円に達し、自動認識ソリューションのリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
この受賞は、サトーが持つ技術力と伝統文化を融合させた新たな挑戦が、国際的に認められた結果であり、今後のさらなる発展が期待されます。今後も日本の伝統と先進技術を結びつけた製品づくりに励んでほしいものです。