AIによる顔面シミ診断
2025-06-06 13:36:39

AI技術で進化する美容医療 顔面シミの高精度診断システムが誕生

AI技術による画期的な顔面シミ診断システムの開発



近畿大学医学部の研究グループが、AIを駆使して顔に現れるシミの高精度診断支援システムを開発しました。このシステムは、皮膚に見られる様々な色素性病変を迅速かつ正確に分類し、最適な治療法を提案することを目的としています。

背景


顔面にできるシミは、肝斑や雀卵斑、後天性真皮メラノサイトーシス、日光黒子、悪性黒子・悪性黒子型黒色腫などの多様な病変が存在します。これらは見た目が似通っているため、正確な診断が非常に困難です。しかし、それぞれに対する治療法は異なるため、適切な診断が不可欠です。

例えば、肝斑に対する不適切なレーザー治療は症状を悪化させる恐れがあります。一方で、悪性黒子の見逃しは命に関わる問題です。このような背景から、診断支援システムの必要性が高まっています。

確立されたAI診断システムの特徴


研究グループは、複数の施設と協力し、顔面のシミを識別するためのディープラーニングモデルを構築しました。具体的には、InceptionResNetV2とDenseNet121という2種類のディープラーニングモデルを使用し、合計432枚の臨床画像を基に学習・検証を行いました。特に注目すべきは、これらのモデルが皮膚科専門医および非専門医の診断精度を上回る結果を出したことです。

例えば、専門医の診断精度が80%のところ、AIモデルはそれぞれ87%のおよび86%を記録しました。特に悪性黒子の識別においては、AIモデルが100%の精度を達成しました。この成果は、実際の臨床において非常に有用なツールとなる可能性を示唆しています。

今後の展望


このシステムの開発によって、肩書きを持った医師でなくても、高度な判断が求められる場面でも安心して診療を行うことができるようになるでしょう。そのため、今後はこのAI技術を活用した美容医療の進化が期待されます。具体的には、治療の適用判断や副作用の予測を支援する機能の拡張が考えられています。

研究者らは、正確な病変の識別が行えるAI技術を用いることで、治療の質の向上を図る意向を示しています。

研究者のコメント


主任教授の大塚篤司は、「このAIモデルは、レーザー治療における診断エラーを減少させることが期待されます。」とコメントしています。また、非常勤講師の山本晴代も、「特に悪性の病変を見逃さない点が大きな強みであり、安全な治療を選択する助けになる」と期待を寄せています。

今後の課題


一方で、使用した画像データは患者ごとに分割されておらず、限られた条件で撮影されたものも多いため、今後はより現実的な環境での検証が求められます。これにより、さらなる信頼性と実用性を追求し、最終的には医療現場で広く利用されるシステムとなることが見込まれています。


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