武田薬品の買収問題
2018-11-12 08:00:01

武田薬品が計画するシャイアー買収、その合理性に疑問の声が上がる

武田薬品が計画するシャイアーの買収、その合理性に疑問の声が上がる



最近、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)がアイルランドの製薬会社シャイアー社を買収する計画に対して、多くの投資家から疑念が提起されています。買収総額は約7兆円にのぼり、日本企業による海外M&Aとしては過去最大となりますが、その合理性についてきちんとした説明がなされていないためです。

買収計画に対する投資家の反応



「武田薬品の将来を考える会」という会が中心となって、このシャイアー社買収計画には合理性がないとの見解を発表しました。この会にはサイトに公開されているように、武田薬品のOBを含む約130名のメンバーが参加しています。彼らは、近年の低迷する株価の背後にある要因として、武田薬品からの情報不足を指摘しています。

同会は、国際的な投資家を対象として、英国証券会社Market Securities主催のミーティングを通じてこの問題を伝えました。ニューヨークとロンドンで開催されたこのミーティングには、約80社の機関投資家が参加し、武田の経営陣への説明責任について厳しい意見が交わされました。

シャイアー社買収計画の詳細



2018年5月に発表されたこの買収計画では、シャイアー社の純資産4兆円を差し引いた3兆円が「過剰支払い」とされ、これは無形固定資産として計上されることが見込まれています。その一部は、特許権や営業権といった将来的な収益回収を期待した会計処理が行われる予定ですが、残りは「のれん代」として記録される予定です。

この「のれん代」は、シャイアー社の買収によって発生する超過支出であり、精査が必要です。現在、武田には既に1兆円、シャイアーには2兆円の「のれん代」が存在し、合併後の新会社においてもその金額は大きくなる見込みです。このことが今後、株主への配当金や株価にも影響を与える懸念があります。

説明責任を果たしていない経営陣



特に問題視されているのは、武田薬品の経営陣が、買収後の収益見通しを明確に示していない点です。実際、6月末の株主総会で、一般株主からの質問に対し、「UKルールによって、業績見通しを開示できない」と答えたことがあるとされています。しかし、「考える会」はこのルールが、むしろ収益見通しの開示を促すものであることを指摘しており、経営陣の説明とルールが矛盾しているとの意見を表明しています。

さらには、「考える会」は2018年10月1日に公開質問状を提出し、買収の合理性についての文書回答を求めましたが、現時点においても未回答のままとなっています。このような状況にあって、多くの投資家からは説明責任を果たさない経営陣への不満が高まっています。

まとめと今後の展望



武田薬品は2019年1月18日までに臨時株主総会を開催し、新株発行の承認を得る予定です。この重要な場に向けて、「考える会」は情報を積極的に発信し、株主に対して適切な投票行動を促す活動を続けるとしています。また、シャイアー社の買収がもたらすリスクや武田薬品の現在の状況については、彼らの公式ウェブサイトを通じて詳しい情報を提供しています。
ウェブサイトのURLは以下です、投資家の皆様はぜひご確認ください。
考える会の公式ページ

今後、武田薬品の経営陣がどのようにこの難局を乗り越えていくのか、その動向に注目が集まっています。

会社情報

会社名
ファーマセット・リサーチ株式会社
住所
東京都港区港南二丁目16-2太陽生命品川ビル 28F
電話番号
03-6356-6620

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