hAP細胞の研究進展
2023-02-28 16:00:01

アステラス製薬との共同研究、hAP細胞の前臨床試験が開始へ

オーチャード・バイオ株式会社(本社:兵庫県神戸市、社長:植松哲生)は、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:安川健司)との共同研究において、clhAP細胞(Holding Active Pharmaceutical ingredient cell)技術を用いた試験が順調に進展していると発表しました。グループの研究開発は、第一段階となる細胞を使った性能評価で順調な結果を得ており、年内に動物モデルを用いた有効性検証試験を実施予定です。

hAP細胞とは


hAP細胞は、薬剤と細胞を組み合わせて新たな形の再生医療製品を実現するもので、注目されています。この技術では、薬剤を生体吸収性として広く使われるポリマーであるPLGA(Poly Lactic-co-Glycolic Acid)ナノ粒子に包み込み、それを細胞に取り込ませる手法が採用されています。

投与後、hAP細胞は損傷した部位に集まる特性があり、体内での治癒能力を引き出しつつ薬剤を放出します。これまでのマウス心筋梗塞モデルによる実験では、脂肪幹細胞単独の投与と比べ、シンバスタチンによる相乗効果が心筋の再生に寄与した結果も得られています。

hAP細胞の研究とその可能性


hAP細胞が持つ幅広い応用可能性には、治療法の新たな展開が期待されています。具体的には、開発が行き詰まった低分子化合物等の医薬品をhAP細胞に組み込むことで、その潜在能力を引き出す手法が考えられています。また、オーチャード・バイオ社では、クライアントのリクエストに応じたhAP細胞の受託および共同開発にも取り組んでいます。

今回の共同研究では、アステラス製薬から提供される薬剤と動物の脂肪幹細胞を組み合わせたhAP細胞の評価が行われ、それを通じて会社の技術や可能性をさらに広げることが期待されています。今後の研究結果が、多くの疾患に対する新たな治療法の発展につながることが望まれています。

共同研究を進めるオーチャード・バイオ社とアステラス製薬の活動は、再生医療の未来を切り拓く重要な一歩となるでしょう。医療業界の注目を集めるこのプロジェクトは、新たな治療方法を求める患者にとって希望となる可能性があります。

会社情報

会社名
オーチャード・バイオ株式会社
住所
兵庫県神戸市中央区御幸通八丁目1番6号
電話番号
078-600-2623

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。