カシオ計算機、インドネシアとエジプトでの教育事業開始
カシオ計算機株式会社が、2025年度よりインドネシアとエジプトにおいて日本型教育の海外展開に乗り出すことが決まりました。このプロジェクトは文部科学省の「EDU-Portニッポン」応援プロジェクトに選ばれ、教育現場での関数電卓の活用を中心とした数学授業を取り入れ、教師研修などを通じて教育の質向上を図ります。
インドネシアでの取り組み
インドネシアにおいては、自立した思考を持つ人材を育成することに重点を置いています。また、選定されたモデル校を通じて、関数電卓を使った探究型の数学授業を展開します。目標は10校のモデル校で、教師研修を行い、授業後のサポートも行う体制を築くことです。これにより、教師と生徒が一体となって学び合う環境を育て、数学教育の質を一層向上させることを目指しています。
エジプトにおける新たな展開
一方、エジプトでは既存の教員研修の成功を踏まえ、私立校に加えてエジプト日本学校(EJS)として新たなパートナーシップを結びます。この連携により、教師に対する研修から授業実施後のフォローアップまで一貫した支援を行い、生徒が能動的に学べる授業づくりを進めます。約50名の中学校教師への研修を通じて、関数電卓の利用を促進し、主体的な学びをサポートします。
カシオの教育ビジョン
カシオは、「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」を使命に掲げ、教育分野においても変化を与えることを目指しています。関数電卓の可能性を感じ、教育環境の向上を進めていく中で、パイロット授業や教材開発に力を入れています。国際的なプラットフォームを通じて、日本の教育手法を広めることは、カシオの長期的な取り組みの一つです。
TICAD Business Expo & Conferenceへの参加
また、カシオ計算機は2025年8月20日から22日まで横浜で開催される『TICAD9』に参加し、アフリカにおける教育協業の可能性について講演を行います。この機会に、STEM教育における関数電卓の価値を広め、多様な国々と知的財産を共有していくことを目指しています。2016年度から続く「EDU-Portニッポン」は、幅広い国での教育協力を進めており、今後も成長が期待される分野です。
まとめ
カシオ計算機の取り組みは、教育の国際交流と質の向上を目指す重要なプロジェクトです。関数電卓を介した数学教育の展開は、ただの技術提供にとどまらず、文化的な知恵を共有し、未来を育んでいく力となるでしょう。これからの展開に期待が寄せられています。