働く世代を襲う根管治療の誤解とその影響
治療に対する認識のずれが、働く世代と歯科治療の進行に影響を与えていることが、一般社団法人日本歯内療法学会の調査から明らかになりました。特に30代では、「痛みが消えたからもう大丈夫」と自己判断して通院を中断する人が多く、この傾向が再発のリスクを高めているのです。今回は、根管治療における通院中断の背景とその影響について掘り下げます。
調査の背景と目的
一般社団法人日本歯内療法学会は、30代から60代までの根管治療経験者1,020人を対象に、通院中断の実態とその意識差を探る調査を行いました。この調査が行われた目的は、根管治療に対する誤解を解消し、正しい通院の重要性を広めることにあります。
通院中断の現状
調査結果によると、30代の約50%が「痛みがなくなったタイミングで通院を中断した」と答えました。この中断が招いた問題は多岐にわたりますが、最も多かったのは「再び痛みが出た」ことです。40代でも同様の傾向が見られ、痛みがなくなったからと言って治療が終了するわけではないという誤解が広まっています。
世代別の通院・治療に関する意識
通院継続の難しさは年代ごとに異なり、特に30代では仕事や家庭との兼ね合いで「通院が難しい」と感じる割合が高いことが明らかになりました。診療時間に間に合わないという理由が多く、30代はその傾向が特に強いです。これに対し、40代や50代では仕事が忙しいといった理由や、費用負担が影響してきます。
根管治療への理解度
根管治療に対する理解は世代間で差があり、30代の約4割が「詳しく知っている」と回答する一方で、50代以上では「知らない」と答える割合が高かったです。これは情報の受け取り方や治療の説明の理解に差があるためで、治療の重要性や中断のリスクについての認知の齟齬が生じていることを示しています。
通院を続けるための条件
調査では、通いやすい歯科医院の条件として「予約が取りやすい」が最も多く選ばれています。また、診療時間の柔軟性や立地の利便性も重要な要素です。特に30~50代では、平日夜間や休日に診療を行う医院を選ぶ傾向が強まります。
結論:通院の重要性を再認識しよう
今回の調査からは、根管治療の通院中断を助長する背景が複雑であることが分かりました。痛みがなくなったからといって治療を中断することがもたらすリスクは大きく、自覚症状が消えたからこそ治療を続ける重要性を広めていくことが求められます。従って、痛みのない今だからこそ、将来の歯の健康を考える良いタイミングと言えるでしょう。日本歯内療法学会もその啓蒙活動を続けていきます。