新しい溶接内部解析技術が登場
工学院大学の小川雅准教授が開発した溶接継ぎ手の内部応力や未溶着部を非破壊で検知する新技術が、2024年10月10日から11日に開催される「おおた研究・開発フェア」で披露されます。このイベントは、大田区と公益財団法人大田区産業振興協会が主催するもので、多くの企業や研究者が集まり、新たな技術や研究成果を発表する場となっています。
技術の概要とその利点
小川准教授の技術は、エックス線を利用して溶接残留応力を現場で評価する手法です。この方法により、対象物を物理的に壊すことなく、3次元での応力の可視化が可能になります。従来のエックス線回折法や中性子回折法とは異なり、この技術では現場で手軽にひずみを調べられるため、非常に実用性が高いと言えるでしょう。
この新技術の最大の強みは、非弾性ひずみが発生する範囲を特定できるところにあります。これにより、実験室内で得られたデータを元に高い推定精度を実現しました。また、これまでの超音波検査では難しかった閉じたき裂の検出も可能となっています。この点に関しては、密着したき裂も評価できるため、実用性が大幅に向上したと言えそうです。
フェアでのブース詳細
「おおた研究・開発フェア」での出展ブースは63番で、技術紹介が行われます。小川准教授は、業界のニーズやさらなる研究の方向性を探ることを目的に、多くの方々との交流を希望しています。
イベント概要
第14回おおた研究・開発フェアは、2024年10月10日と11日の2日間にわたり、東京都の羽田空港内にあるコングレスクエア羽田およびPiO PARKで開催されます。参加は無料ですが、事前の来場申込が必要です。興味のある方は、公式サイトから申し込みを行いましょう。
この技術は、産業界と学術界の架け橋となり、今後のものづくりの現場で必須の工具となる可能性を秘めています。技術の実用化に向けて、多くの現場の声を伺いながら、さらなる研究を進めたいという小川准教授の意気込みも印象的です。
最後に
「おおた研究・開発フェア」は、新技術の発表とともに、技術者や研究者同士の貴重な交流の場となることでしょう。是非、足を運んでいただき、舌戦の意見を交わして、新たな発見につなげていただければと思います。