墨田区での若手演奏家支援企画「演奏家の船出応援コンサート」募集開始

若手演奏家支援イベント「演奏家の船出応援コンサート」

墨田区では、地域の音楽文化を振興し、若手演奏家に貴重な演奏の機会を提供する「演奏家の船出応援コンサート」への参加者を募っています。このコンサートは、優秀でも集客が難しい若手演奏家に対し、5万円の出演料を支払い、彼らが経験を積む場を確保しています。また、地域の住民にも様々な音楽を楽しんでもらうことが目的です。

審査のポイント

今年度の審査は、18歳から40歳までの若手演奏家を対象に行われ、心に響く演奏技術が重視されます。さらに、独自性のある曲目や企画、音楽や文化への思いも含め、総合的に判断されます。応募の中から今年度は5組の演奏者を選出予定です。毎年参加している審査員には、新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーも加わり、特に今年はビオラ奏者の吉鶴洋一氏が新たに参加します。

コンサートの恒例行事として、これまで2015年からの応募総数は約350件にのぼり、日本国内外から多くの申し込みがあります。2021年度の参加者募集中で、昨年度からはオンラインでの応募も可能になりました。詳細はBIG SHIPの公式サイトでご確認ください。

コンサートの雰囲気

毎回、コンサートには地域の住民に加えて、遠方から訪れるお客様もおり、参加者は120名近くにのぼります。通常、開演前にはホール階下の別会場でランチをいただくことができます。ランチは破格の500円（税込）で、参加者同士の交流の場にもなっています。現在はコロナ禍の影響で観客数の制限やテイクアウト形式となっていますが、観客の温かいサポートがあり、若手演奏家が情熱をもって演奏する姿を楽しんでもらえます。

コンサート終了後、来場者にはアンケート形式で演奏者の評価をつけていただき、最も高評価の演奏グループには次年度の出演料を増額し、凱旋コンサートに出演する権利が与えられます。このシステムにより、お客様は演奏家の応援者としての意識が芽生えています。

参加者の声

参加したお客様からは「500円でランチあり、素晴らしいコンサートが聴けるなんて感動！」（70代女性）や、「この企画があるおかげで、千葉からでも毎回足を運んでいます。」（60代女性）など、感謝の声が寄せられています。一方、若手演奏家たちも「集客をBIG SHIPが行ってくれるので、演奏に集中できる。」（30代男性）といった思いを持っています。

コロナ禍での取り組み

新型コロナウイルスのパンデミックによって、2019年度後半にはいくつかのコンサートを中止せざるを得なくなりましたが、2020年度は入場制限や換気など、万全の感染対策を施しながら全公演を終了。オンライン応募の導入も果たしました。

未来への期待

田中氏は今後の展望について、他では例を見ない若手演奏家支援の取り組みができることを喜び、音楽ジャンルの垣根を越えた幅広い応募を期待しています。地域住民に多彩な音楽を届けることは、地域プラザにとって重要な使命であり、この活動を墨田区から全国に広げる夢を抱いています。

コロナ禍での厳しい状況にあっても、「演奏家の船出応援コンサート」は演奏家にチャンスを与えるだけでなく、地域の人々にも活力を与え続けています。