タイ・バンコク近郊にAIデータセンターの設立が決定
データセクション株式会社が、タイのバンコク近郊でAIデータセンターの設立を発表しました。このプロジェクトは、2025年12月22日付で現地のデータセンター企業との契約が締結され、2026年1月には10MWの電力供給の準備が整い、2026年早期の稼働が予定されています。
バックグラウンドと目的
タイ政府は「Thailand 4.0」という国家戦略を推進中であり、その一環としてAI国家戦略の第2段階(2024年~2027年)が進められています。2026年にはAIに特化した専門人材の育成や産業界でのAI活用が急速に進む見込みで、これに対応するための高度な計算能力を備えたAIデータセンターの設置が求められています。
タイは、東南アジアにおけるデジタル経済の中心地を目指しており、世界中のIT企業が続々と投資しています。このような背景の中、データセクションは高密度な演算資源を必要とする企業の需要に応えるため、バンコク近郊への拠点設立を進めます。
AI社会実現に向けて
この施設は、2026年までに急速に進展する「ソブリンAI」と呼ばれる自国独自のAI基盤の成立を助け、企業が大規模言語モデル(LLM)を活用できるためのインフラを提供することを目指しています。すなわち、タイ及び東南アジア全体でのAI社会の実現に寄与することを目的としているのです。
今後の計画と展望
データセクションは、今回の10MWの契約によるAIデータセンターの開設を皮切りとして、タイにおけるデータセンターのキャパシティを段階的に拡大していく計画です。「アジアパシフィックで最も信頼されるAIインフラストラクチャーを構築する」というミッションに従い、日本やオーストラリアに続いて、タイでの展開は海外展開における重要な一手となります。
さらに、タイは東南アジアの重要な経済圏の一つであり、あらゆる産業を支えるAIインフラを構築することで、データセクションのグローバル戦略を加速させることができます。今後はアジア全体における次世代イノベーションを支えるインフラの構築に向けて、さらなる努力を重ねていく予定です。
ソブリンAIの重要性
【用語解説】
ソブリンAI(Sovereign AI)とは、国家が自国のデータ、計算資源、人材を生かして独自のAIインフラを構築・運用する考え方を指します。他国への技術依存を避け、自国の文化、言語、安全保障に最適化されたAIシステムの確立を目指すものです。
このような背景を持つデータセンターの設立は、タイのデジタル経済の発展に貢献するだけでなく、アジア全体におけるAI技術の進化を促す重要なステップとなります。
今後の展開が期待される中、データセクションは企業価値の向上にも努め、持続可能な成長を目指す姿勢を鮮明にしています。