エプコがダイバーシティを推進するコールセンターの新たな形
近年、多様性を重視した企業経営が求められる中、株式会社エプコがAIボイスボット「commubo」を導入し、「日本一静かなコールセンター」の実現を目指しています。この取り組みは、同社のダイバーシティ推進の一環として、聴覚に不安を抱える方々にも働きやすい環境を提供することを目的としています。
1. メンテナンスサービス強化の必要性
エプコは、メンテナンスサービスを提供するために、自社のコールセンターを運営しています。クライアント企業からの要望に応じて、問い合わせ対応範囲を拡張しながらコスト抑制を図るために、「commubo」の導入が決定されました。これにより、エプコは自身のサービスを強化しつつ、多様な人々に就労機会を提供することができます。
2. 「2Ds」の理念とボイスボットの役割
エプコは、企業のミッションとして「2Ds(Digital x Diversity x Silence)」を掲げています。この理念に基づき、ボイスボットを取り入れることで従来の聴覚依存から解放された職場環境を目指しています。特にコールセンターでは電話対応が欠かせませんが、commuboを導入することで、オペレーションの音を削減し、静かな職場を実現しています。
3. commuboがもたらす効果
commuboは、AIボイスボットでありながらも、以下の三つの主要な機能でエプコのダイバーシティへの取り組みを支援しています。
- - 自動応対機能: 定型的な問い合わせの応対を自動化することで、オペレーターの負担を軽減しつつ、迅速な対応を実現。発話内容や相手の発言の分岐を事前に設定しておくことで、効率的に対応できます。
- - 会話のテキスト化: commuboは、お客様との会話をリアルタイムでテキスト化します。これにより、オペレーターは直ちに内容を把握でき、情報共有が容易になると同時に、聴覚に不安のある方にも配慮した職場環境を提供します。
- - シナリオの柔軟性: ボイスボットの応対内容は、シナリオ編集のUIが魅力的で、何度も調整が可能です。お客様の言葉に含まれるニュアンスをボイスボットに反映させるために、細かな調整ができます。これにより、より自然な対話が可能になり、効率的な運用が実現します。
4. 導入の背景と今後の目標
エプコは今回のボイスボット導入を通じて、人手不足や多様なニーズに応えるための仕組みを目指しています。特に、従来の問い合わせの中で3~4割を占める定型問い合わせに対するスピード向上を図り、顧客満足度を高めていきたいと考えています。また、AIの苦手分野である感情理解についても人間の監視を行い、AIとオペレーターの共存を図ることが求められています。
エプコの金沢オペレーションセンターの中山祐一様は、「この取り組みがダイバーシティを推進し、聴覚に不安を持っている方々への新たな働き方の提案となる社会貢献の一環として挑戦を続けます」と語っています。
5. エプコとソフトフロントの連携
ソフトフロントホールディングスは、エプコの取り組みに寄与すべく、引き続き「commubo」の活用支援を行っていきます。音声対応だけでなく、テキスト化や柔軟な設定変更機能によって、多様な人材が共に働きやすい環境を構築することが、この取り組みの大きな目的です。
まとめ
AIボイスボット「commubo」の導入により、エプコはただの業務効率化にとどまらず、社会全体のダイバーシティを推進する新しいモデルを示しました。静かなコールセンターとして顧客へのサービスを向上させるだけでなく、聴覚に不安を持つ方々へ新たな働き方を提供するこの取り組みは、他の企業へも良い影響を与えることでしょう。