浜松市とフィリピン・アクラン州の連携に見る人材不足の解決策
浜松市は、深刻な人材不足に悩まされています。一方で、フィリピンのアクラン州では若年層の失業問題が深刻化しています。これを受け、浜松市はフィリピンのアクラン州との相互協力を通じて、両地域の課題を解決すべく動き出しました。浜松市の産業部長を筆頭に、参議院議員の梅村みずほ氏や日本貿易振興機構(ジェトロ)の職員らが2024年7月29日にアクラン州を訪れ、現地の大学「アクランポリテクニックカレッジ」を視察しました。
アクランポリテクニックカレッジとの連携
アクランポリテクニックカレッジでは、株式会社E-MANの支援により日本語教育が行われています。学生たちは浜松市の産業に対する理解を深め、日本での就労を視野に入れて学んでいます。この視察では、浜松市の産業部長が学生に向けて、浜松市での就労の可能性について説明しました。参加した学生たちは真剣に耳を傾け、将来の展望を考える機会となりました。
意見交換を通じた理解の深化
視察の中では、アクラン州の議会議員とも意見交換が行われました。浜松市の人手不足という課題に対し、若年層の失業という共通の問題を抱えるアクラン州との連携がどれほど重要であるかが再認識されたのです。両者の協力によって相互の課題を解決することができるならば、今後の展望が広がります。
調印式の実施予定
浜松市は、10月末に浜松市長がアクラン州を訪問し、連携協定を調印する予定です。この過程で、アクラン州副知事への表敬訪問も行われました。このような動きは、両地域間の人材育成や情報交換の強化に寄与すると期待されています。
E-MANの役割と展望
株式会社E-MANは、フィリピンの各大学での日本語教育に一貫した支援を行っており、現在300名の学生に対し日本語の指導をしています。しかし、今後は需要が高まると見込まれ、3500名程度の学生への指導へと拡大する計画です。アクラン州での日本語指導員の人数を増やし、日本で働きたいと考える学生に対してより多くの機会を提供することを目指しています。
地元愛と会社愛を育む取り組み
E-MANは、ただ賃金や仕事内容だけでなく、地域や企業に対する理解を深めることが重要であると考えています。そのため、外国人材がその地域での調和を持って生活し、将来的に定住・永住できるようサポートする体制を整えています。このような連携により、浜松市とアクラン州の未来は大きく変わる可能性があります。
このように、浜松市とフィリピン・アクラン州との連携は、人材不足の解消に向けた大きな一歩です。両地域が協力して、未来の労働市場を支えていく姿が期待されます。