次世代太陽電池「シート工法」の革新
日揮ホールディングス株式会社は、国内のEPC事業会社である日揮株式会社が開発したフィルム型次世代太陽電池向けの施工法「シート工法」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業において採択されたことを発表しました。この事業は、太陽光発電の導入拡大に向けた技術開発のいわば新たな指針となっています。
シート工法の特徴と期待
フィルム型太陽電池は、従来のシリコン型と比較して薄く、軽く、さらに曲がる特性を持っています。これにより、耐荷重性の低い屋根や建物の壁面など、従来の技術では設置が難しかった場所でも利用が可能となります。日揮のシート工法は、このような特性をしっかりと活かしながらも施工コストを抑えられる工法として独自に開発されました。実際、北海道の苫小牧や神奈川の江の島などで既に実証試験が行われ、その効果が立証されています。
NEDO公募による新たなステップ
NEDOの公募事業は多様な設置条件を考慮した実証や評価が行われることから、日揮にとっては新たなビジネスチャンスが広がることになります。本開発には2025年度から2027年度にかけて、フィルム型太陽電池の大型化や長大化を図るモジュールの開発が含まれています。このモジュールは、フィルム型太陽電池と架台を組み合わせるもので、多様な屋根や壁に対応可能な架台システムの開発にも力を入れています。
今後の展開と市場への影響
日揮は施工の効率性を向上させるため、治具の開発にも取り組みます。これにより、施工負担の軽減と施工速度の向上が期待され、シート工法の強みがさらに際立つことでしょう。また、施工コストは従来型のシリコン製太陽電池と比較して約35%の削減を目指しています。
脱炭素社会に貢献する未来
今回の採択をきっかけに、日揮は次世代のフィルム型太陽電池が早期に実用化されるよう努力し、脱炭素社会の実現に向けた貢献を続けていきます。シート工法の普及が進めば、太陽光発電の導入がますます進み、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。今後の展開に目が離せません。