AIによるセキュリティ運用の革新、SimbianとSB C&Sが初の提携を発表

AIによるセキュリティ運用の革新、SimbianとSB C&Sが提携

米国カリフォルニア州に本社を置くSimbian, Inc.（シンビアン）と、ソフトバンクグループのSB C&S株式会社が、日本で初めてのディストリビューター契約を締結したことが発表されました。この提携により、AIを駆使した「Simbian AI SOC（シンビアンエーアイソック）エージェント」の取り扱いが2025年12月1日から開始されることが予定されています。

急増するサイバー脅威への対応

近年、サイバー攻撃者によるAIの導入が進む中で、企業が直面するサイバー脅威はますます複雑化しています。特に、膨大なセキュリティログの監視や迅速なインシデント対応が求められる現代のビジネス環境では、従来のセキュリティ対策だけでは不十分とされています。

中堅・大企業では、システム環境の多様化に伴い、セキュリティ人材の不足や対応の属人化が深刻な課題となっています。これらの問題を解決するために必要なのが、SOC（Security Operation Center）です。SOCは、サイバー攻撃への迅速な対応や被害の最小化に向けて重要な役割を果たしていますが、熟練したアナリストの確保や運営コストが導入の障壁となっています。

Simbian AI SOCエージェントの提供

SB C&Sが導入する「Simbian AI SOCエージェント」は、自律型のセキュリティ運用を実現するための革新的なソリューションです。複数の自律型AIエージェントが連携することで、SOC業務を自動化・標準化し、慢性的な人材不足を解消することが期待されています。このソリューションによって、AIを活用した分析や判断支援が進化し、インシデント対応の迅速化や運用負荷の軽減が可能になるでしょう。

この自律型AIは、セキュリティの運用環境において、インシデント対応、スレットハンティング、エクスポージャー管理など、各業務に特化して機能します。これにより、企業はセキュリティ運用を自社内で内製化でき、外部への依存を減少させることが目指されています。

未来を見据えたセキュリティ体制

今後SB C&SとSimbianは、AIを駆使した次世代のSOCの普及を促し、日本国内の企業におけるセキュリティ強化と自律化を進める意向を示しています。これにより、企業は変化の激しいサイバー脅威に立ち向かうための能力を高めることができるでしょう。

また、このAIエージェントは企業固有のIT環境や履歴情報を統合し、的確な判断を促すためのContext Lakeと呼ばれるデータ基盤を活用します。これにより、誤検知を減らし、セキュリティ対策の透明性を確保することが可能です。

SB C&SとSimbianのコメント

SB C&Sのネットワーク&セキュリティ推進本部の本部長である山名広朗氏は、Simbianの革新的なAIソリューションの取り扱い開始を歓迎し、企業のセキュリティ現場での課題解決に寄与することを明言しています。さらに、Simbianの日本カントリーマネージャーである伊東宏祐氏も、SB C&Sとの提携を嬉しく思い、AIを活用した新たなセキュリティのあり方を提案することに期待を寄せています。