背景と調査概要
企業の賃上げに対する期待感が高まっている中、実際には転職活動が続くという現実があります。株式会社ワークポートが実施したアンケート調査により、全国のビジネスパーソン442人の意識を探りました。この調査では、賃上げが転職意向に与える影響や、労働者の意識変化に焦点を当てています。
賃上げへの期待感
2026年の春闘では「5%以上」の賃上げ方針が掲げられています。しかし、調査対象の52.0%は、基本給が「据え置きになる」と予想していることが明らかになりました。昇給を期待できるのは約30%と低く、賃上げムードの中でも恩恵を受けられない人が多い状況です。
物価高との関連性
賃上げと物価上昇のバランスが崩れつつあり、ほとんどの人が「実質的にマイナス」と感じています。実際、67.9%の人が賃上げが物価上昇をカバーできないと答えました。これは、賃上げが期待される一方で、生活実感が悪化していることを物語っています。
転職活動が続く理由
驚くことに、5%の賃上げがあったとしても、70.8%の人が「転職活動を続ける」と回答しました。金銭的なインセンティブの限界が露呈し、企業の賃上げだけでは不十分であることが分かります。
離職の要因
転職を希望する最大の理由が「キャリア成長不足」とされ、自己成長やスキルの停滞が離職の主要因であることが明らかになりました。「人間関係のミスマッチ」や「労働環境への不満」も影響していますが、キャリアの成長が最も重要視されています。
転職時の優先条件
転職先を選ぶ際、約56.8%が「スキルアップや市場価値の向上」を最優先していることが判明しました。年収を優先する人はわずか12.7%で、成長環境や組織文化が重視されています。
職場の改善を求める声
賃上げだけでは解決しない職場の問題として、キャリア成長や組織風土の不満が浮き彫りとなりました。自由記述からは、具体的な職場改善を求める声が多く寄せられています。
まとめ
今回の調査から、賃上げの期待感とは裏腹に、労働者は自身の成長や将来の市場価値をより重視していることが分かりました。企業は単に給与を上げるだけでなく、成長を支える環境を提供することが、今後の採用競争において重要な要素となるでしょう。