AI顔認証エンジンFaceMe®が進化
サイバーリンク株式会社は、AI顔認証エンジンFaceMe® SDKの新バージョン7.9.2を発表しました。この最新版では、セキュリティ強化のために「インジェクション攻撃検知(IAD)」を新たに追加しています。この機能は、ユーザーの本人確認をより安全に行うための重要な要素です。
インジェクション攻撃に対する不安
近年、顔認証技術を狙った攻撃手法は多様化しており、従来の写真や動画を用いる方法に加え、仮想カメラや改竄されたアプリによる攻撃が一般的になっています。これに対抗するため、FaceMe® SDKは、顔認証に加えてなりすましやディープフェイクの検知とともに、インジェクション攻撃検知を搭載しており、計4つのセキュリティ機能が統合されています。
4層のセキュリティ機能
新しいFaceMe® SDK 7.9.2は、以下の4つの機能によって本人確認の安全性を高めます:
1.
顔認証 - 登録された顔情報との照合により、本人性を確認します。
2.
なりすまし攻撃検知(PAD) - 写真や3Dマスクを用いた攻撃を検知します。
3.
ディープフェイク検知 - AI加工による偽の顔情報を見つけ出します。
4.
インジェクション攻撃検知(IAD) - 偽造データを直接認証システムに送り込む攻撃を検出します。
これにより、撮影から認証に至るまでのデータ経路が保護されるため、安全性が向上します。
データ経路の保護
なりすまし攻撃の検知はカメラ前で行われますが、IADはカメラからアプリ、そして顔認証エンジンまでのデータの流れを監視します。これにより、カメラモジュールを迂回して偽の情報を送信する攻撃を防ぐことができます。
各レイヤーの保護
FaceMe® SDKは、アプリケーション、OS、カメラの各レイヤーを保護するため、様々な不正行為に対するリスクを検出します。特に、以下の点に商業用価値があります:
- - 仮想カメラによる偽装検出
- - アプリやSDKの整合性確認
- - ルート化やJailbreak検知
- - エミュレーター環境での実行検知
これに加えて、継続的な端末の状態監視と、アプリの保護技術(難読化、アンチデバッグ、ソフトウェアハードニング)が施されています。
利用シーンとメリット
新しいインジェクション攻撃検知は以下のようなシーンでの導入が期待されています:
- - 金融サービス - 銀行や証券、保険会社での本人確認。
- - オンラインサービス - 会員登録やパスワードレス認証。
- - 業務アプリ - 従業員向けのアクセス認証。
これにより、サービス提供者は不正なアカウント作成や乗っ取りリスクを低減し、安全かつ信頼性のあるモバイル本人確認を実現できます。
コメント
サイバーリンクのComputer Vision事業部社長メイ・グー氏は、「顔認証を狙った攻撃は進化し続けています。FaceMe® SDK 7.9.2では、新たにインジェクション攻撃検知を搭載し、認証過程全体を保護します」とコメントしています。今後も脅威に対応し、金融サービスの安全性向上に貢献していく姿勢を強調しました。
FaceMe® SDKについて
FaceMe®は、ディープニューラルネットワークを使ったAI技術による顔認証エンジンで、高速かつ高精度な認証を実現します。多様なデバイスに対応し、スマートフォンから産業用PCまで幅広い環境で利用可能です。
サイバーリンクについて
サイバーリンクは1996年に設立された企業で、AI関連技術を含む多岐にわたるソリューションを提供しています。日本法人は1998年に設立、動画編集ソフト「PowerDVD」や「PowerDirector」などで多くの支持を集めています。