新たな地域づくりへの挑戦:千葉県東葛での認知症フレンドリープロジェクト
千葉県我孫子市を拠点に、認知症に対する理解を深める新しいプロジェクトが始動します。特定非営利活動法人issue+designが、NPO法人ACOBAの主催する休眠預金活用事業の実行団体として、この取り組みを進めることになりました。高齢者の孤立や孤独を防ぐことをテーマに、地域全体で支える認知症フレンドリーな社会を目指しています。
プロジェクトの背景
このプロジェクトは2019年に始まった「認知症世界の歩き方プロジェクト」からのつながりを経て実現しました。このプロジェクトは、約100名の認知症を抱える人々へのインタビューを基にしており、その結果は書籍『認知症世界の歩き方』としてまとめられました。書籍は、彼らの気持ちや困りごとを旅行記の形式で表現したものです。これを踏まえ、多様なワークショップや講演、ファシリテーターの養成など、様々な活動を展開しています。
取り組みの内容
本事業では、2つの主要な活動が行われます。ひとつは「認知症世界の歩き方 実践(対話&デザイン)ワークショップ」であり、もうひとつは「認知症世界の歩き方 旅のガイド養成講座」です。
1. 認知症世界の歩き方 実践ワークショップ
このワークショップには、認知症に携わる当事者や支援者、また高齢者の予備群を含む500名が参加することを目指しています。ここでは、認知症のある方がどのような世界で生活しているのかを理解し、彼らとの対話を通じて良好な関係構築を促すことを目的としています。具体的なワークショップの内容には、以下のような要素があります。
- - ご本人目線のレクチャー:アニメーションを使用し、認知症の症状やトラブルを学ぶ。
- - 原因推理カードワーク:実際の症状に基づいたケースを検討し、背景にある原因を考察。
- - 障壁の探索ワーク:生活環境を描いたイラストを用い、認知症のある人々の生活の中での障壁を探し出す。
2. 旅のガイド養成講座
この講座では、認知症に関する基本知識と運営スキルを習得し、実際にワークショップを運営できるファシリテーターを育成します。東葛地域に住む方々を対象に、参加者30名を定員にして行われ、受講費用も大幅に減額されています。この活動を通じて、参加者は自身の地域でのワークショップを開催するノウハウを学びます。
目指す未来
本事業のビジョンは、認知症になっても誰もが幸福に暮らせる地域社会の実現です。認知症の方が孤立せず、地域とのつながりを保つことは、発症リスクや症状進行の軽減に寄与します。こうした理念のもと、私たちは新たな認知症観の普及を目指します。
このプロジェクトは、デザインの力を活かし、新たな町づくりを進める見本になるでしょう。地域の力を結集し、支え合う姿勢が未来の認知症の理解につながることを期待しています。
結論
今後のワークショップの開催予定や参加方法については、公式ウェブサイトなどで通知されますので、ぜひ注目してください。このプロジェクトは、認知症の理解を広げ、地域住民とのつながりを深めるための新たな一歩となるでしょう。