リンクアップウエス活動
2021-04-26 15:26:44
布の資源循環で障がい者の雇用創出を目指す「リンクアップウエス」活動の始動
布の資源循環活動「リンクアップウエス」とは
最近、環境問題や持続可能な社会の実現に向けた取り組みが各地で進められています。そんな中、川上塗装工業株式会社が始めた「リンクアップウエス」活動が注目を浴びています。この活動は、一般家庭から不要になった布製品、特に綿素材のTシャツやタオルを回収し、それを福祉作業所に運搬することで、障がい者の就労機会を創出すると同時に、資源の有効活用を図る取り組みです。
背景:衣類廃棄問題と障がい者の現状
この活動の発端は、SDGs(持続可能な開発目標)に関する学びから来ています。特に、衣類の廃棄問題は私たちの想像以上の影響を及ぼしていることが分かります。綿のTシャツ1枚を製造するには、なんと2,720リットルもの水が必要です。これは成人が3年かけて飲む水の量に相当し、非常に貴重な資源です。また、残念ながら衣類の再利用はわずかで、約74%が焼却または埋め立てられてしまいます。これは環境だけでなく、地域社会にも大きな影響を及ぼします。
また、地域の福祉施設は仕事が依然として不足しており、障がい者の給与が支払われないという厳しい現実もあります。これらの問題を知った川上塗装工業は、何かしらの解決策が必要だと感じ、「リンクアップウエス」の活動をスタートさせました。
活動内容
「リンクアップウエス」では、不要な布を回収後、盛岡市内の福祉作業所に搬入し、障がい者の方々に裁断作業を行っていただきます。この過程で働きがいのある仕事を提供し、工賃を供給するという意義を持っています。さらに、SDGsの目標「8.働きがいも経済成長も」「12.つくる責任つかう責任」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に寄与しています。
実績と今後の展望
「リンクアップウエス」のサービスは、2023年3月20日から4月20日までの1カ月間にわたってモニタリングを行いました。地域に配布した広告を通じてこの活動について広報したところ、9名の方々から合計44.3kgの布を寄付されました。これにより、さっそく布の裁断作業に取り組むことができ、成果を実感しています。
今後の計画として、さらなる布の寄付を募り、その収益を製品として販売することを検討しています。衣類廃棄の影響が特に深刻なインドの綿農家の支援にも寄与できるような仕組みを考えています。具体的には、販売収益から必要経費を除いた分で、綿農家の支援や児童労働問題に取り組むプロジェクトを進めていきたいと考えています。
まとめ
「リンクアップウエス」の活動は、不要な布を資源として再利用すると同時に、社会的な課題である障がい者の雇用問題に光を当てる試みです。この輪が広がることで、持続可能な社会が実現できることを期待しています。今後の活動にも注目が集まります。ぜひ皆さんも、家庭にある不要な布を持ち寄り、この活動を支援してみてはいかがでしょうか?
会社情報
- 会社名
-
川上塗装工業株式会社
- 住所
- 岩手県盛岡市三ツ割3-2-11
- 電話番号
-
019-601-4014