AI技術で半導体検査を革新
2025-09-18 15:22:26

九州工業大学とMipoxがAIを駆使した半導体検査技術を革新

九州工業大学とMipoxが半導体検査のAI自動化に挑戦



国立大学法人九州工業大学とMipox株式会社は、半導体用途研磨フィルムの外観検査に関するAI自動化技術の実証実験を開始しました。このプロジェクトは、半導体デバイスの製造過程における品質保障の重要性が高まる中、作業効率を向上させることを目的としています。

背景


近年、半導体デバイスの高集積化が進み、それに伴い研磨フィルムの品質保証も非常に重要になっています。従来の外観検査では、人間の目による判断が大きく影響しており、その結果として検査精度のバラツキや作業者の負担の増加が問題となっています。さらに、労働人口の減少も懸念されているため、AI技術を取り入れた自動化が求められています。

AI技術による異常検知


本プロジェクトでは、Mipoxが「良品」とした画像データをもとに、九州工業大学が深層学習を用いてAIモデルを訓練しました。このAIモデルは、異常度マップ(Anomaly Map)を出力し、異常部分を視覚的に表示します。その結果、特定の研磨フィルムにおいて、良品と不良品を100%正確に識別することに成功しました。

画像処理技術の導入


さらに、AIモデルの出力に画像処理による後処理を施すことで、異常検知の精度を向上させました。これにより、特定の色系統の研磨フィルムでも100%の分類精度を達成しています。しかし、白系フィルムの「色ムラ」検出の改善が今後の課題として浮上しています。

今後の展望


九州工業大学とMipoxは、今後色系統別の異常パターンに対する検出精度の向上や、実際の製造ラインへの導入に向けた取り組みを進めていく予定です。このプロジェクトが成功すれば、半導体業界全体における品質保証の信頼性が大幅に向上し、検査工程の効率化にも貢献すると期待されています。

実証実験のリーダー


この実証実験を主導しているのは、九州工業大学大学院の徳永旭将准教授です。彼は、人工知能や機械学習に関する豊富な研究実績を持ち、特に異常検知技術において先駆的な研究者として知られています。今回の実証実験では、研磨フィルムの特性に応じたAIモデルを構築しています。

Mipox株式会社について


Mipoxは、1925年に設立された会社で、今年で創業から100年を迎えます。研磨技術を基礎に、ハイテク分野での強みを持ち続けながら、持続可能な社会の実現を目指しています。今後も「塗る」「切る」「磨く」のコア技術を活かし、新しい挑戦を続けていくことでしょう。

この取り組みの進展に今後も要注目です。


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会社情報

会社名
Mipox株式会社
住所
栃木県鹿沼市さつき町18鹿沼事業所
電話番号

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