こども食堂、全国で73億円規模の地域交流活動を支える!運営費調査結果が明らかに
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえは、2023年9月から11月にかけて、全国89団体を対象に、こども食堂の運営費に関する調査を実施しました。その結果、2023年時点で全国に9,132箇所あるこども食堂の「会食による地域交流活動」は、総額約73億円で運営されているという推計結果が明らかになりました。
この調査では、こども食堂の運営費用として、直接費用や間接費用に加え、現金や物資の寄付なども含めて算出されました。さらに、会食だけでなく、お弁当持ち帰りやフードパントリー、宅配、イベントなどの全活動を考慮すると、総額は約216億円にのぼると推計されています。
調査結果によると、スタッフの稼働時間を最低賃金で換算した人件費を含めると、全国のこども食堂の「会食による地域交流活動」を支える総費用は約143億円、全活動を支える総費用は約349億円になります。
また、参加人数規模別に見た場合、「会食による地域交流活動」の開催1回あたりにかかる費用は、1~10人では中央値5,974円、11~20人では中央値15,349円、21~30人では中央値14,035円、31~50人では中央値25,988円、51~100人では中央値57,058円、101人以上では中央値87,829円となっています。
地域社会の支えとなるこども食堂の活動
今回の調査結果は、こども食堂が地域社会において多大な貢献をしていることを改めて示すものです。こども食堂は、食事の提供だけでなく、地域住民同士の交流や孤立防止、子どもの健全な育成など、様々な役割を担っています。
こども食堂は、一般的に、金銭や物品の寄付、ボランティアによる稼働など、地域社会からの有形無形の支援によって運営されています。しかし、物品寄付やボランティアによる労働力の提供については、その実態がこれまで把握されていませんでした。
本調査は、これらの金銭的支援、物品による支援、ボランティアによる運営費の全体像を明らかにすることを目的として実施されました。その結果、こども食堂の運営には、金銭的な支出だけでなく、地域住民の多大な貢献によって支えられていることが明らかになりました。
こども食堂の未来に向けて
むすびえは、今回の調査結果を踏まえ、こども食堂の更なる発展に向けて、以下の活動を推進していきます。
こども食堂の運営に関する情報提供や支援体制の強化
こども食堂の活動内容や運営方法に関する研究開発
* こども食堂に関する社会全体の理解促進
むすびえは、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう、これからも活動を続けていきます。
こども食堂の運営費調査、その意義と課題
今回の調査は、こども食堂の運営費というこれまであまり注目されてこなかった側面に光を当て、その実態を明らかにした点で大きな意義があります。
調査結果から、こども食堂が地域社会から多大な支援を受けて運営されていることが明らかになりました。これは、こども食堂が地域住民にとってかけがえのない存在であり、その活動を支えたいという強い思いがあることを示しています。
しかし、一方で、こども食堂の運営には依然として課題も多く存在します。
まず、運営費の不足が挙げられます。調査結果から、こども食堂の運営には多額の費用が必要であることが明らかになりました。特に、スタッフの確保や活動場所の確保など、長期的な安定運営には更なる資金が必要となります。
次に、ボランティアの負担が大きいという問題も挙げられます。こども食堂は、多くのボランティアによって支えられています。しかし、ボランティアの負担が大きくなると、活動の継続が困難になる可能性もあります。
これらの課題を解決するためには、地域社会全体でこども食堂を支援していくことが重要です。企業や行政などが、資金面や人材面で積極的に支援を行うことで、こども食堂の安定的な運営を支援していく必要があります。
また、こども食堂の活動内容や運営方法に関する研究開発も重要です。より効果的な活動方法や運営方法を開発することで、より多くの子どもたちや地域住民に貢献できるこども食堂を目指していくことができます。
こども食堂の未来に向けて
こども食堂は、地域社会にとってかけがえのない存在です。今回の調査結果を踏まえ、地域社会全体でこども食堂を支援していくことで、こども食堂はより発展し、子どもたちや地域住民にとってより良い場所になっていくでしょう。