イマジナが提案する新時代の採用ブランディングの意義と実践

イマジナが提示する採用ブランディングの現実

2025年9月24日、株式会社イマジナの代表取締役社長、関野吉記氏が東京中小企業投資育成株式会社主催の「採用ブランディング導入セミナー」で講演を行い、多大な反響を呼びました。このセミナーでは、日本の採用市場の厳しい状況を分析し、企業が直面する「人財育成」の問題に取り組むための本質的な解決策が示されました。

採用は全社戦略

セミナーでは「採用は人事部の仕事ではない」「全社戦略である」という視点から、現在の人口減少や賃金上昇の停滞が日本企業に及ぼす影響を掘り下げました。企業成長には優秀な「人」を集め、育て、定着させることが不可欠であると強調されました。

特に、日本の多くの中小企業は人件費を「コスト」と捉え、抑えようとする傾向が、人材の離職につながっている現状が指摘されました。アメリカの人材マネジメント協会（SHRM）の調査では、離職した社員の年収の十倍以上の損失が発生することもあるという警告がされており、この問題は深刻です。

人材の育成と定着がカギ

関野氏は、この採用課題の真髄は「数を集めることではなく、育てて定着させること」にあると述べました。特に、日本の企業では新人教育の後、20代後半から社員への教育とフィードバックが減少し、「やるべきことが不明確」な状況が続いていることが、30代でのエンゲージメントの低下に繋がっています。

本セミナーでは、これに対抗するために「インナーブランディング」の重要性が強調されました。これは、企業の理念や文化が組織内部に浸透することを目指すもので、組織を活性化させるために管理職の育成がカギとなります。

インナーブランディングの実践

関野氏は、3,000社以上の実績に基づく「人」に焦点を当てたブランディング手法を提唱。外部に向けた「アウターブランディング」と内部向けの「インナーブランディング」を両立させることで、企業全体のエンゲージメントを高めることが可能だと述べました。

優秀な人材を惹きつけ、定着を図るためには、社員一人ひとりが描く「あるべき自分像」に基づいて行動し、一貫した意思決定を行うことが重要です。これにより、消極的な姿勢を脱却し、個人と組織が互いに貢献し合う環境づくりが進むでしょう。

具体的な取り組みの提案

関野氏は「理念は作るだけでなく、評価に取り入れて浸透を進める」必要性を強調し、「あるべき姿を描くための5つのポイント」を具体的に提示しました。これには「自分の強みを知る」「シナジーを生み出す」「ゴールから逆算する」「本当に優先すべきことをやる」「主体性を持つ」が含まれています。これにより、多くの参加者からの共感を呼び起こしました。

株式会社イマジナの背景

株式会社イマジナは、関野氏が世界で活躍している企業が社員を効果的に活用する育成モデルに触れ、2006年に設立されました。以来、企業の人材育成や理念浸透に特化した支援を行い、3,000社以上にサービスを提供しています。

関野氏は、行動経済学や組織心理学を基にした独自のブランディング手法を駆使しており、企業の基盤であるブランドの確立を支援しています。