富士通が世界初の5Gネットワーク品質維持AI技術を発表し、グローバル市場へ提供へ

富士通が革新技術を導入、5Gネットワークの品質を守る

富士通は、世界初となる5Gモバイルネットワークの品質劣化を防ぐAIアプリケーションの開発を発表しました。この技術は、通信環境の変化に迅速に対応し、ユーザーが期待する「つながりやすさ」を実現します。2024年11月には、グローバル市場に本技術を展開する予定です。

新たなAI技術の特徴

このAI技術は、以下の三つの主要な機能を持っています。

1. リアルタイムのネットワーク品質監視: AIによってネットワークの品質を常時監視し、利用者が感じる体感品質（QoE）の推定を行います。万が一、QoEが低下した際には、自動的に他の基地局への切り替えが行われます。

2. トラフィック上昇の予測と対応: 自然災害やイベントによるトラフィックの上昇をAIが事前に検知し、スリープ状態の基地局を即座に起動。これにより、通信品質の維持とともに省電力化も実現します。

3. 異常検知とエリア再設計: 通信の異常を検知し、必要なエリアにリソースを優先的に配分することで、故障による影響を最小限に抑えることが可能になります。

背景にあるデジタルトランスフォーメーション

現在、世界中でデジタルトランスフォーメーション（DX）が急速に進行しており、それに伴って5Gモバイルネットワークの需要が高まっています。富士通は、モバイルネットワーク事業者に対して、より高い品質と効率的な運用を可能にする技術を提供し続けます。

また、富士通はこの技術を、O-RAN（オープン無線アクセスネットワーク）に基づいて構築された運用管理システム「FUJITSU Network Virtuora Service Management and Orchestration」に組み込む計画を進めています。このシステムは、より効率的にネットワークを運用し、TCO（総所有コスト）の削減にも寄与します。

今後の展望

2024年から始まる本技術のグローバル展開によって、モバイルネットワークの利用者は、どのような状況下でも信頼性の高い通信環境が提供されることが期待されます。これにより、利便性や満足度の向上、災害時の安全性確保に貢献します。

さらに、富士通はこの技術を基盤に、他の産業向けアプリケーションへの展開を図り、社会全体の安全性や持続可能性の向上に取り組んでいく意向を示しています。

この革新技術の導入により、5Gネットワークにおける品質管理の未来は、より安全で確実なものとなることでしょう。