古野電気がジャマーテスト 2025に挑む
古野電気株式会社が、2025年9月15日から19日までノルウェーのアンドーヤで開催される世界最大のGNSSテストイベント「ジャマーテスト 2025」に参加することが決定しました。昨年に続き、2年連続での参加となります。
ジャマーテスト 2025とは?
本イベントは、航空、海運、通信、金融などの社会基盤を支えるインフラの安全性を確保するために、GNSS(全地球測位システム)の脆弱性に対する耐性を実環境で検証する貴重な機会です。最近では、黒海や北欧、中東においてジャミング(信号妨害)やスプーフィング(信号偽造)の事例が相次ぎ、特に交通管制やモバイル通信におけるGNSSの脆弱性問題が顕在化しています。このような中で、耐妨害性と回復力を強化するための需要が高まっています。
イベントでは、参加企業や機関がGNSS受信機を実環境下でテストし、ジャミング・スプーフィング攻撃に対する防御性能を評価します。
昨年の成果と今年のテストの進化
昨年の「ジャマーテスト 2024」では時刻同期用GNSS受信機「GT-100」を使用し、様々な妨害環境下での基本的な挙動の把握や、耐性向上に向けた重要な知見を獲得しました。今年のテストでは、その成果を踏まえて進化した受信機を使用し、高度な耐性評価を実施する予定です。
特に、「GT-100」はL1帯とL5帯の2周波受信に対応しており、5Gモバイル基地局や金融取引、電力網など、ナノ秒単位の精度が求められるインフラ向けの性能を検証します。この受信機は、L1帯の信号が途絶えてもL5帯で受信を維持し、安定した時刻出力が可能です。さらに、より複雑な妨害シナリオを想定し、ジャミング耐性をさらに強化、スプーフィング耐性を高めた「GT-100」の新バージョンの評価も行う予定です。
開催概要と今後の展望
「ジャマーテスト 2025」の開催日は2025年9月15日から19日までの5日間で、場所はノルウェーのアンドーヤ。公式サイトも用意されており、詳細な情報が公開されています。今回のテストを通じて、実運用に近い条件で耐性アルゴリズムの有効性を確認し、重要インフラのさらなる信頼性向上に努めていきます。
古野電気は1948年に世界初の魚群探知機を実用化して以来、舶用電子機器の分野において数々の革新をもたらしてきました。現在では、世界90か国以上で販売体制を確立し、舶用電子機器の総合メーカーとして確固たる地位を築いています。今回の「ジャマーテスト 2025」への参加は、同社の技術力をさらに証明する重要な機会となるでしょう。