年金プロダクトサーベイ2024の結果が明らかに
株式会社想研が発行する機関投資家向け運用情報誌『オルイン』は、最近「年金プロダクトサーベイ2024」を実施し、その結果を発表しました。本調査は、確定給付型企業年金を中心にアセットオーナーの投資戦略に関するデータを収集し、企業年金が直面する課題と運用の方向性を分析することを目的としています。
企業年金の運用実態
2024年の初頭、株価上昇の影響を受けて、企業年金の43.4%が10%以上の高いリターンを実現しました。この統計から、企業年金を運用している多くの投資家が良好な成績を収めていることが伺えます。特に、オルタナティブ資産の採用比率は堅調に推移しており、その重要度はますます増しています。
一方で、運用における課題としては、「金利環境の変化に対応した資産配分の見直し」が62.8%で最も多くの投資家から指摘されています。また、運用だけでなく「年金ガバナンスの強化」や「専門性の向上」が大きな課題として挙げられました。これらは、金融庁が発表したアセットオーナー・プリンシプルに沿ったものであり、市場の注目が高まっている理由の一部であると考えられます。
投資ニーズの変化
債券系プロダクトに関しては、為替ヘッジ付き外国債券の解約が顕著に見られ、クレジット戦略の採用が減少していることも指摘されています。特にマルチアセット運用は苦境に立たされており、その採用率が大幅に減少しています。これに対し、プライベートアセットの人気は依然として高く、ダイレクトレンディングやインフラコア戦略の採用率は増加傾向にあります。
また、トレードファイナンスといった比較的新しい戦略にも高い関心が寄せられています。国内金利の上昇が観察される中で、国内投資家は円債の回帰を見せていますが、いまだ積極的な追加投資には至っていない状況です。
調査概要
この調査は、2024年8月1日から8月30日にかけて、国内企業年金基金を対象としたWEBアンケートに基づいて行われました。合計137件の回答が集まり、調査の詳細は公式ウェブサイトにて確認できます。
株式会社想研の取り組み
株式会社想研は、「オルイン」や投資信託に関するマーケティング情報誌「Ma-Do」、個人向けWebメディア「Finasee」など、さまざまなメディア事業を展開しています。プロダクション事業としては、資産運用会社向けのWebサイト制作やBS放送局のマーケット番組制作も手掛けています。
このように、株式会社想研は多方面にわたるビジネスを展開し、機関投資家向けの情報提供に力を入れています。今後も企業年金の運用動向や投資ニーズの変化に注目していくことで、より良い情報を提供し続けることでしょう。