電通が描く「消費の好循環」新メカニズムの全貌
株式会社電通の消費者研究プロジェクトチーム、「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」が、これまでの「心が動く消費調査」の結果を基に、新たに「消費の好循環」という概念を可視化しました。この概念は、消費者と企業がただ一度の取引を超えて、持続可能な関係性を築くことの重要性を強調するものです。
消費の好循環とは
近年、消費者と企業の関係性は、単発の取引を超え、より持続的なものへと変化しています。企業はライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を向上させるため、消費の好循環を意識したアプローチを求められています。その中でDDDは、「消費の好循環」を、消費者がブランドや企業に対するロイヤリティを高め、新たな需要へとつなげるメカニズムとして捉えています。
調査の背景
DDDは、2024年5月に行った「第8回 心が動く消費調査」で、消費者の感情と消費行動の因果関係を共分散構造分析によって明らかにしました。この調査には、日本全国から約3000人の15歳から74歳の男女が参加し、彼らの消費に紐づく欲求や意志を数値として可視化しました。
その結果、特に「誰かの役に立ちたい」と「好きなことに没頭したい」という二つの欲求が、消費者の意欲を高め、新たな商品やサービスへの関心を引き出す要因であることが判明しました。
消費者の意欲を引き出す
調査結果から、消費者が「新たにやりたいことや新しいものへの意欲が湧いてきた」と感じるには、2つの根源的な欲求が影響していることが分かりました。
1.
誰かの役に立ちたい、世の中の大切なものを守りたい
2.
好きなモノを集めたい、好きな事に没頭したい
これらの欲求が、消費者の意欲増進を促し、結果としてブランドに対するロイヤリティを強化するのです。
商品・サービスへの活用
電通と電通マクロミルインサイトは、この分析結果をもとに、企業が対象の消費者とその欲求の関係性を明確にするための調査メニューを提供開始しています。また、欲求に基づいたターゲティング広告配信のプログラムも開発し、企業のマーケティング戦略の強化を図っています。
今後の展望
DDDは今後も定期的に「心が動く消費調査」を行い、消費者の欲求インサイトに基づいた新商品開発や広告戦略の立案に貢献していく予定です。これにより、消費者の意欲を高め、双方にとってプラスの関係を築く手助けをしていくでしょう。
このような調査結果は、今後の市場動向を見極めるためにも非常に重要です。消費者のニーズと企業の戦略が交差する場所に、「消費の好循環」の新たな可能性が広がっています。