国内初「食の未来ファンド」が食ビジネスの進化を加速
2023年、国内で初めてのフードテック特化型ファンドである「食の未来ファンド」が設立されました。このファンドは、これからの日本の食文化とビジネスを革新することを目指しています。主な運営は、株式会社丸井グループ、株式会社バリュークリエイト、レオス・キャピタルワークス株式会社など、さまざまな企業が協力しています。
ファンドは、まず30億円を上限に次の募集を行い、食領域の大手企業とのオープンイノベーションやCVC設立・運営の支援も行うとしています。投資責任者には、岡田博紀さんが就任し、彼の豊富な経験を生かして食業界のスタートアップに資金を提供していくことになります。
岡田さんは、早稲田大学法学部を卒業後、ジャフコでのベンチャー投資を経て、モバイルアプリ開発の会社や飲食店を立ち上げ、さらに大手企業とのM&Aなども手がけた経歴の持ち主です。彼の理念は、食ビジネスを日本の基幹産業の一つとしていくことにあり、特に人材不足やデジタル化が進む現代社会において、食ビジネスが次のフェーズへと進化する必要性を強く感じています。
ファンド設立の背景にあるのは、食業界が抱える課題です。人手不足やDX化が進まない中で、コロナ禍を経て今後の食ビジネスは大きな転換点を迎えています。米国ではすでにフードテックスタートアップへの投資が急増しており、今後もその流れが続くと予想されています。日本もこの流れに乗り遅れないよう、リーダーシップを発揮することが求められています。
また、日本の食文化には世界的にも高い評価があるものの、それを次世代につなげるためには共創が必要だとされます。食の未来ファンドは、地方と都市、大企業とスタートアップ、官民の共創を通じて、新たなビジネスモデルの開発を進めるという使命を帯びています。ここで育てられる企業が明るい未来を作る可能性を秘めています。
食の未来ファンドの使命
1.
サステナブルな未来への貢献(SDGs)
食ビジネスが環境に配慮した持続可能なものへと変わることを目指します。
2.
基幹産業としての食文化の強化
食ビジネスを日本の重要な産業の一つにするために投資していきます。
3.
起業家への支援
明るい未来へのチャレンジをする起業家と積極的に連携します。
4.
大企業の変革を促進
オープンイノベーションによるスタートアップとの共創を目指します。
5.
人材育成
食ビジネスに必要な人材不足を解消する支援を行います。
ファンドの基本情報は以下の通りです。
- - 名称: 食の未来1号投資事業有限責任組合
- - 設立日: 2020年10月1日
- - 運用期間: 2020年10月~2030年9月(10年間)
- - ファンド規模: 総額10~30億円
- - 主な投資対象: フードテック領域のスタートアップ(日本国内)
食の未来ファンドが創る新たな価値が、どのように日本の食文化を進化させていくのか、今後の展開が期待されます。