アグリ王と横浜ビールの新たな挑戦
株式会社アグリ王と株式会社横浜ビールが、閉鎖型アクアポニックスシステムを用いた実証実験を開始しました。この取り組みでは、ビール制作過程で生まれる副産物であるモルト粕を養殖飼料として再活用し、持続可能な養殖の実現を目指しています。
閉鎖型アクアポニックスシステムとは
アグリ王が開発した閉鎖型アクアポニックスシステムは、LED照明を使い効率的な光合成を促進し、魚の養殖水を利用して作物に必要な栄養素を循環させる技術です。これにより水や肥料の使用量が最小限に抑えられ、高品質な作物と健康な魚が同時に育つ仕組みとなっています。このシステムにより、都市部や気候変動の影響を受ける地域でも安定した生産が可能になります。
モルト粕の有効活用
モルト粕は、大麦から作られるビール製造の副産物で、豊富なタンパク質や食物繊維を含んでいます。しかし、廃棄されてしまうケースが多く、その活用が待たれていました。今回の実証実験では、モルト粕を取り入れた飼料で淡水魚「ホンモロコ」の養殖を行い、その成長や健康状態を評価します。養殖された魚は、横浜ビールが運営するレストラン「UMAYA」で提供される予定です。
持続可能な社会の実現に向けて
アグリ王は、2030年までのSDGs達成や気候変動対策に貢献することを目指しています。また、グリーンインフラの一環として、この技術を社会に実装し、循環型経済を推進しようとしています。彼らの取り組みは、地域経済の活性化や新たな雇用の創出にも寄与するでしょう。
実証実験のスケジュール
実証実験は2024年10月から開始され、次のようなスケジュールで進められます:
- - 2024年8月~2025年1月 食品残渣のスクリーニング調査
- - 2025年2月 ホンモロコの産卵・稚魚育成
- - 2025年4月 モルト粕を使った給餌開始
最後に
アグリ王の閉鎖型アクアポニックスシステムと横浜ビールのモルト粕の活用は、単に廃棄物を減らすだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。この共同プロジェクトは、持続可能な農業を促進し、より良い未来への一歩を踏み出すための重要な試みです。