Piezo Studio、世界最小の位相ジッタ性能を実現した水晶発振器ICを開発
株式会社Piezo Studioは、LVDS差動出力156MHz水晶発振器において、世界最小となる16.6fsの位相ジッタ性能を実現しました。これは、5GやAIデータセンターの高速データ通信において、高品質な通信品質を実現するための重要な技術革新です。
近年、5Gの導入により通信容量が増大し、データセンター機器は、伝送速度400/800 Gbit/sから1.6 Tbit/sへの移行が進んでいます。高速データ通信において高品質な通信品質を実現するためには、低位相ジッタ水晶発振器が不可欠です。特に、生成AIを牽引するAIデータセンターの導入が加速する中、搭載される高精度水晶発振器への需要が高まっています。
Piezo Studioは、この市場のニーズに応えるため、高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 宮原正也准教授との共同研究により、超低位相ジッタのC級動作コンプリメンタリー・コルピッツ発振回路の開発を進めてきました。
今回の開発では、65nm CMOSプロセスを用いた差動型コンプリメンタリー・コルピッツ発振ICを設計・開発し、フォトリソグラフィー技術を用いて製造された156MHz水晶振動子を採用しました。その結果、キャリア周波数156 MHz、LVDS出力下で、世界最小となる位相ジッタ16.6 fsの超低位相ジッタ水晶発振器を実現しました。
Piezo Studioは、今後も超低位相ジッタの差動出力水晶発振ICおよびそれを用いた水晶発振器の開発を積極的に進めていく予定です。
世界最小の位相ジッタ性能とは?
位相ジッタとは、信号の位相が理想的な時間軸からどれだけずれているかを示す指標です。位相ジッタが小さいほど、信号の品質が高く、正確なデータ伝送が可能になります。今回開発された水晶発振器は、世界最小の位相ジッタを実現することで、高速データ通信における高品質な通信品質に貢献します。
AIデータセンターの進化を支える技術
AIデータセンターは、生成AIなどの高度な人工知能技術の開発や運用を支える重要なインフラです。高速データ通信と高精度な処理能力が求められるAIデータセンターにおいて、低位相ジッタ水晶発振器は、安定したクロック信号を提供することで、データ処理の精度向上に貢献します。
Piezo Studioの今後の展開
Piezo Studioは、今回の開発成果を基に、さらに高性能な水晶発振器の開発を進めていきます。また、AIデータセンターだけでなく、5G通信、IoT、自動車、航空宇宙など、さまざまな分野において、低位相ジッタ水晶発振器の応用を拡大していく予定です。