山形県南陽市に醸造所を構える「グレープリパブリック」が、2024年8月8日、鎌倉の小町通に初の飲食店「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」をオープンしました。
同店は、自社ワインとイタリアンが楽しめる「ヴィネリア」スタイルで、毎月リリースされる自社ワインを中心に揃えたワインショップを併設しています。運営は、系列会社で横浜に本店をもつサローネグループが担当し、同グループにとっては7店舗目となります。
なぜ「グレープリパブリック」は鎌倉に初出店を決めたのでしょうか?
「グレープリパブリック」は、山形県南陽市のテロワールを表現したワインを、国内だけでなく海外にも届けたいと考えています。すでにアメリカ、カナダ、台湾、スウェーデンなど14カ国に輸出しており、海外でも多くのファンを獲得しています。
鎌倉は、日本を代表する観光地であり、海外からの観光客も多いことから、海外のファンをお迎えするにふさわしい場所だと考えました。また、多くのインバウンドが多い鎌倉は、新しいワインファンとの出会いの場としても期待されています。鎌倉は、世界と山形県南陽市を結ぶ中継点となるでしょう。
さらに、鎌倉がある神奈川県は、サローネグループの本店「SALONE2007」がある地でもあります。サローネグループは、2007年のオープン以来、横浜だけでなく神奈川県のお客様に支えられて成長してきました。グループ店の本拠地近くからスタートできることは、「グレープリパブリック」にとっても大きな意義があります。
「グレープリパブリック」は、ワイン造りにおいて、自然の力を最大限に活かすことを大切にしており、有機栽培やアンフォラ醸造を採用しています。そのため、自然豊かな環境でワインを楽しんでほしいという思いから、海と山が近い鎌倉を選んだそうです。
「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」は、以下の3つのポイントが特徴です。
① グレープリパブリック初の飲食店舗
「グレープリパブリック」はこれまで、全国の小売り店・飲食店への卸売りやEC販売で商品を販売してきましたが、飲食店舗を出店するのは今回が初めてです。ワインに合う食事やワインを楽しむ飲食エリアのほか、グレープリパブリックの主要商品も販売しています。
運営は、グループ会社で神奈川県や東京都内にイタリアンレストランを展開する「サローネグループ」が担当します。サローネグループとグレープリパブリックは、創立以来、スタッフ間のコミュニケーションを密に図ってきました。ぶどう栽培の手伝いにサローネグループのスタッフが行くこともあれば、グレープリパブリックの都内での催事や試飲会にソムリエメンバーが参加するなど、まるで同じチームのように協力し合ってきました。今回の運営でも、お互いを理解し合う両社だからこそ、単なるグループ会社の運営ではないシナジーが生まれるはずです。
② イタリアの「ヴィネリア」スタイル
「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」に併設する飲食エリアは、イタリアでワインと居酒屋を意味する「ヴィネリア」の業態です。カジュアルなワインとともに楽しめるスタイルを踏襲し、グレープリパブリックを代表するワイン「CuvéeShinden(キュヴェ新田)」や「numeroシリーズ」など、自然な造りのワインとともにイタリアのワイン居酒屋にあるような郷土料理を、昼はパスタランチ、夜はアラカルトでお楽しみいただけます。
③ グレープリパブリックの理念を熟知したシェフ
「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」のシェフは、サローネグループの「biodinamico(ビオディナミコ)」(東京・渋谷)でシェフだった栗山義臣氏が務めます。栗山氏は、グループ間の交友のなかでもとくに頻繁に南陽市の醸造所を訪ねてくれた料理人で、醸造責任者の矢野とも交流が深く、グレープリパブリックの理念をもっともよく知る人物の一人といえます。
「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」では、栗山氏を中心にしたスタッフで、鎌倉の新しいフードスポットになることを目指しています。
「グレープリパブリック」は、土地ごとの気候、地勢、土壌のみならず、そこに暮らす人や、人々が育んできた文化を含めた「テロワール」という概念を第一に考えたワイナリーです。2017年の設立以来、一貫して“Made from 100% Grapes”という言葉を掲げ、ワインを造り続けています。
世界最古のワイン造りといわれるアンフォラ醸造を採用していることも特徴です。スペインから直輸入したアンフォラとよばれる陶器壺を地中に埋めて醸造する方法で、「グレープリパブリック」の醸造所には大小合わせて17基、最大1000Lもあり国内最大級です。アンフォラを使ったワイン造りは8000年ほど前からあるもので、「グレープリパブリック」が目指す“Made from 100% Grapes”のワイン造りに適していることから、採用を決めました。アンフォラ醸造をメインにステンレスなどのタンクも併用することで、自然な造りでありながら安定した品質のワイン造りも可能になります。
「グレープリパブリック」は、置賜地域のテロワールを表現することで、日本ワインにしか造りえない個性の表現を目指しています。自然が造った作物「ワインは農作物である」という思いを胸に、これからもぶどうとワインを造り続けていきます。
「グレープリパブリック ヴィネリア サローネ」は、鎌倉という新たな舞台で、山形のテロワールを表現したワインとイタリアンを融合させ、世界に向けて発信していく予定です。