水産業の未来を切り開く!先進的水産加工事例の報告会
2025年11月27日、公益財団法人水産物安定供給推進機構は『第3回 水産加工業者等による取組事例の報告会』を開催しました。この会議には、170名以上の参加者が集まり、水産業の新たな可能性を模索する様々な取り組みが紹介されました。このレポートでは、特に注目すべき5つの取り組みについて詳しくお伝えします。
地域連携による地魚の活用促進
最初に紹介されたのは、徳島水産物販路推進協議会の麻野紀子氏による、地魚の加工と流通の促進に関する事例です。徳島県では、水産業の衰退と職人不足の問題に対処するため、同市場は新しい加工設備を導入し、職人技に頼らず通年供給を実現しました。この結果、加工量は前年比150%、売上も146%の増加を記録しました。小型地魚の冷凍商品も展開し、都内高級市場への販路拡大に成功しました。
MEL認証を活用した養殖マダイの流通促進
次に、愛南漁業協同組合の岡田孝洋氏は、MEL認証取得による国際的な競争力強化の重要性を報告しました。養殖マダイの生産において国際的な認証を取得し、真空包装機などを導入したことで、販路を国内外に広げることに成功しています。これにより、日本の水産物の輸出拡大にも寄与しています。
CVS向けの多様な魚種活用
株式会社ジョッキの工藤昭英氏は、CVS向け魚種展開の製造工程の標準化について発表しました。特定の魚種に依存せず、より多様な商品展開を目指し、自動計量機の導入により製造工程を効率化しました。これにより原料リスクを軽減し、持続可能な商品展開が可能となります。
萩市での低利用魚の活用と観光誘客
萩市の白井暢氏による報告では、地元産水産物のブランディングや観光誘客に向けた取り組みが紹介されました。特に、シマフグやマフグの有効活用により、安定供給体制を構築しつつ、フィッシュカレーのご当地グルメ化にも成功しています。これにより、都内ホテルの採用や市場での高い評価を受けました。
インド市場での日本産水産物の販路開拓
最後に、株式会社ディスカバリーワンの田窪三紀夫氏が、日本産水産物のインド市場への販路開拓に向けた取り組みを報告しました。人口増加と日本食需要の急成長が期待されているインドにおいて、正規の輸出ルートを確立し、高品質な冷凍品を供給する体制を構築しました。現地イベントを通じて市場の評価も高まりつつあります。
これらの取り組みは、地域の特性を活かした水産業のイノベーションの一端を示しています。今後もさらなる発展が期待される水産業界の動向に注目です。報告会の詳細な資料は水産物安定供給推進機構の公式ホームページから閲覧できます。ぜひご確認ください。