ジーンクエストと富士通が因果AI技術で遺伝子とライフスタイルの関係を解明

因果AIによる新たな視点

ジーンクエスト株式会社と富士通株式会社が、遺伝子とライフスタイルの関連性を探るため、因果AI「Fujitsu Kozuchi」を活用した研究を行いました。この成果は、遺伝子と食習慣や体格との因果関係をより深く理解することに寄与します。

因果AIの優れた機能

因果AIは、従来の技術に比べ約1000倍のスピードで因果関係を導き出すことができる、高速因果探索機能を持っています。これにより、さまざまなデータ項目間の因果関係を迅速に推定。信頼性強化機能も備えており、少ないデータでも過去の知見を取り入れることで、より信頼性の高い結果を導き出します。さらに、施策提案機能により、得られた因果関係に基づいて、最適な施策を提案します。

研究の進展

本研究では、約4000名の遺伝子データとアンケートデータを元に、因果分析が行われました。具体的には、アルコール代謝に関連する遺伝的特性と食習慣、体格に関連する遺伝的特性とBMIとの関連性についての分析が行われました。

アルコール代謝と食習慣

調査の結果、アルコール分解能力に関連する遺伝的特性は、飲酒頻度や甘味嗜好、コーヒーの摂取頻度と強い関連を示しました。興味深いことに、甘味嗜好は飲酒頻度を介して遺伝的アルコール強さと関連している点が示唆され、コーヒー摂取には別の因果関連が存在することが分かりました。

体格と遺伝的特性

次に、体格関連の分析では、ポリジェニックスコアを用い、遺伝的な太りやすさと食習慣、BMIとの因果関係を明らかにしました。ここでは、食事量の影響が低く評価され、新たに脂っこい味やうま味への嗜好性が強い影響を及ぼしている可能性が示されました。また、親族の病歴など、新たな因果関係の潜在要因が浮かび上がり、今後の研究に期待が高まります。

将来への展望

ジーンクエストは、この研究を基に、より多角的な健康増進アプローチを進めていく計画です。また、富士通の因果AI技術は、医療や遺伝子分野だけでなく、製造業やマーケティング戦略においても様々な課題解決に役立つとされています。
この研究の進展が、個人に最適化された健康施策の提案につながることが期待されます。